明治から昭和にかけて、両手足がないという圧倒的なハンデと闘いながら、国からの援助に頼ることもなく、自立した生活を送った中村久子さん(1897~1968年)のことをご存じでしょうか。

「見えない・聞こえない・話せない」の三重苦を乗り越えたヘレン・ケラー女史が1937年に来日した際、久子さんは「あなたは私より不幸、でも私より偉大です。あなたこそが奇跡の人」と称えられました。

本欄では、過酷な運命に翻弄されながらも、人々に生きる力と勇気を与え続けた彼女の人生を紹介します。