日本に完全降伏を強いたのは間違った戦略【アメリカ人日本史研究者に聞く大東亜戦争(2)】

2015.07.13

フルブライト研究者

ジェイソン・モーガン

プロフィール

(Jason Morgan)米国ウィスコンシン大学で日本史研究の博士課程に在籍中。現在、法制史の研究のため、日本の法学者である末弘厳太郎と穂積重遠とともに、東京裁判も研究している。

「日本とアメリカの戦争は全く必要なかった」――。そう語るのは、新進気鋭のアメリカ人日本史研究者でフルブライト研究者のジェイソン・モーガン氏。本誌8月号でインタビューを紹介しているが、紙幅の関係で掲載しきれなかった内容を3回に分けて紹介する。2回目の今回は、戦争を長引かせたアメリカの間違いについて。

開戦責任を敗戦国のみに負わせるのは間違い

――あなたは、東京裁判と、第一次大戦の講和条件を討議したヴェルサイユ会議との類似性を指摘されています。どのような意味で似ているのでしょうか。

ヴェルサイユ会議では、ドイツが故意に単独で第一次大戦を始めたと解釈していますが、ここに嘘があります。戦争を始めるためには二つ以上の当事者が必要ですよね。それなのに一方的に敗戦国に戦争の全責任があるとしたのです。

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