天安門事件から26年 遺族が共産党批判の声明を発表 中国に「自由の革命」を
2015.06.05
民主化を求めて集まった中国の一般市民が、人民解放軍に弾圧された1989年6月4日の天安門事件から26年が経った。
同事件で愛する家族を失った遺族の団体「天安門の母」は、129人の遺族の署名を集め、中国共産党に対して事件の真相究明と犠牲者の名誉回復を求める公開書簡を発表。米ニューヨークに本部を置く人権団体「中国人権」を通じて公開された。4日付各紙が報じた。
天安門事件とは、中国・北京市にある天安門広場において、民主化を求める学生を中心とした一般市民のデモ隊に対し、中国人民解放軍が無差別発砲や装甲車でひき殺すなどの武力弾圧を行い、多数の死傷者を出した事件だ。
中国人の大部分は天安門事件を知らない
「天安門の母」は、元人民大学教授の丁子霖(Ding Zilin)さんが創設した遺族の会。丁さんは他の遺族とともに犠牲者180人と負傷者70人の名簿を作成し、当局に事件の真相の公表と謝罪を求め続けてきた。今回公開した書簡では、「中国当局は、日本との歴史問題で日本に責任を要求しているように、天安門事件の歴史からも目をそらさずに責任を取るべきだ」という趣旨が含まれているという。
しかし習政権に聞き入れる姿勢は見られない。それどころか、団体の主要メンバーは日常的に電話の盗聴や尾行をされたり、自宅軟禁下に置かれるなどの弾圧を受けていることも書簡で明らかにされている。
中国政府は今もなお、雑誌、新聞、教科書、インターネット・サイトなどあらゆるメディアから、天安門事件に関する記述を削除しつづけ、公開討論も禁じている。結果として、中国在住の中国人の大部分は、26年前に天安門広場で大勢の学生が中国軍に殺されたという事実を知らないままだ。
一方、国外では毎年、日本、香港、台湾、アメリカ、フランス、イギリスなど世界30カ国以上で、追悼集会やデモ行進が開催されている。
日本は中国の人権侵害の改善を求めるべき
大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『この国を守り抜け』の中で天安門事件に触れ、「情報公開」の力について以下のように述べている。
「かつてソ連では『情報公開』が行われましたが、民衆に情報が下りたあと、まもなく政府が瓦解してしまいました。中国政府はそうさせないために、"ネット警察"が、インターネットなどの情報をチェックし、政府にとって都合の悪いものに対しては、すぐ取り締まりに入っています。(中略)いずれ、こうしたことはできなくなってくるでしょう」
中国共産党一党独裁体制を切り崩すためには、中国国民が「情報入手の自由」を確保し、民衆の力を結集する必要がある。今回の「天安門の母」のような勇気ある行動が、中国の民主化という「自由の革命」の一歩となる。日本政府としても、現在進行中で起きている中国の人権侵害に目をつぶらず、毅然とした態度で改善を求めていく必要がある。(真)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『国際政治を見る眼』 大川隆法著
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幸福実現党刊 『この国を守り抜け』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=55
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2014年7月号記事 【王丹氏インタビュー】天安門事件から25年 日本は積極的に中国に民主化を求めてほしい
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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