イスラム教は"若い宗教" 外交評論家・加瀬英明氏に聞く中東問題(1)
2015.03.13
外交評論家 加瀬英明
プロフィール
(かせ・ひであき) 1936年、東京生まれ。77年から福田・中曽根内閣で首相特別顧問を務めたほか、『ブリタニカ国際大百科事典』初代編集長を経て、現在は国内外での講演・執筆活動を行う。『アメリカはいつまで超大国でいられるか』(祥伝社新書)、『加瀬英明のイスラム・ノート』(幸福の科学出版)など著書多数。
年初からイスラム過激派によるテロが相次いでいる。しかし、日本人にとっては、なぜ、どんな理由で中東地域の混乱が起きているのかは分かりにくい。
そこで、外交評論家でイスラム教やユダヤ教に関する多数の著作で知られる加瀬英明氏に話を聞いた。現在発売中の本誌2015年4月号では紙幅の関係で割愛せざるをえなかった内容も含めて、全3回に分けてお届けする。1回目の今回は、フランスの新聞社襲撃事件とキリスト教国の歴史について。
イスラム教徒が怒ること自体は当然
――今年1月のパリの新聞社襲撃事件について、どう考えますか?
加瀬: 以前、ハリウッドでイエス・キリストを人間臭く描いた映画『最後の誘惑』(1988年)が公開されたとき、多くのキリスト教徒が「冒涜だ」と言って騒いだことがありました。ですから、ムハンマドの風刺画にイスラム教徒が怒ること自体は、当然のことです。
シャルリー・エブド社をイスラム過激派が襲ったことに対して、パリだけで100万人以上が「私はシャルリー」と書いたプラカードを掲げて行進しました。これは空前のデモだと言われましたが、200年前のフランスは、歴史における最大の「テロ国家」だったんです。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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