釈量子の志士奮迅 [第17回]
2013.10.24
2013年12月号記事
第17回
釈量子の志士奮迅
世の中は変えられる!
釈量子
(しゃく・りょうこ)1969年東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒、大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。
2013年7月から幸福実現党党首。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
世界の平和と繁栄を創造するための新たな国際社会の枠組みを
「米国は世界の警察官ではない」。9月10日、テレビ演説でのオバマ大統領の発言で、世界の潮流が変わろうとしています。シリアに対する軍事介入を見合わせたオバマ大統領の判断には、日本では紛争を回避できたという意味で評価する向きもありますが、オバマ大統領は日本の鳩山元首相とよく似た判断をしていると言わざるをえません。
アサド大統領は自国民を10万人以上殺した最悪の独裁者です。化学兵器も使用したと言われます。すでに国連と化学兵器禁止機関(OPCW)とがシリアに合同調査に入り、見つかり次第、廃棄と破壊を進めることになっています。しかし、軍事介入しないことで化学兵器を隠す時間を与え、無辜の民を殺戮するのを許してしまった。これでシリアの化学兵器を廃絶することができなくなったと言っても過言ではないでしょう。
この現状を神ならばどう見るか。世界中の人が知りたい神の心を、幸福の科学の大川隆法総裁は、『アサド大統領のスピリチュアルメッセージ』の「まえがき」で、「いかなる神であれ、『愛』を理解しないものは真実のものではない。(中略)罪なき人々を護るのだ! これが私の『判断』である」と示しています。宗教的対立を根底に持つ中東世界に対して、神の心を示す指導原理が、日本から発信され始めているのです。
今回のシリア問題は、米国や国連には、もはや深刻な国際紛争を解決する能力が失われていることを意味します。日本人は、その前提で、これからの国際社会を生き抜かねばなりません。
混乱を来たす国際情勢
実際に、国際社会では、一種の"主導権争い"とも言える不気味な動きが始まっています。
日本やアメリカを軸とするTPP(環太平洋経済連携協定)12カ国の協議は、政治的には中国包囲網を築く動きと言えます。しかし、オバマ大統領が予算未成立を理由にアジア外遊を中止し、APEC首脳会議や東アジアサミットを欠席すると、中国の習近平国家主席はその空白を巧みに利用して、インドネシアやマレーシアへの貿易拡大やインフラ拡大を提唱。存在感を示しました。
その習近平国家主席は、9月の中央アジア、10月の東南アジアの各歴訪で陸と海の「シルクロード構想」を提唱。中国を起点にした広大な地域協力戦略をぶち上げていますが、中央アジアの豊富なエネルギー資源を取り込み、米国や日本に対抗して地域の安全保障の主導権を握ることで、アジアの「盟主」としての地位を確固たるものにする思惑が読み取れます。
一方、シリア問題で米国の軍事介入に反対したロシアは、ベラルーシ、カザフスタンと関税同盟を形成し、旧ソ連で一つの経済圏をつくろうとしています。
国際社会を強力にリードする存在がなくなったことで、世界は一種の戦国時代に陥ろうとしているわけです。
国連は70年近くも前の戦争の戦勝国によって決められた枠組みであり、もはや時代適合性を失い、機能不全に陥ったと見ていいでしょう。中国共産党の機関紙「環球時報」は10月8日、「世界の発展にはおのずと秩序があり、米国もこれに従うべきだ」との社説を掲載しています。中国が使う「秩序」とは自国中心の"中華思想"のことであり、アメリカの言いなりにならないという意思表示をこれまでないほど明確にしてきているのです。
5年前に予測していたオバマの決断
私たちが考えなければならないのは、これからの世界の平和と繁栄を創造するための新しい指導理念であり、国際社会の枠組みです。それなくして、シリアの内戦問題、北朝鮮の核問題、中国の軍拡問題などに対処することはできません。
実は、大川隆法総裁は今日の事態を約5年前の2008年末の段階ですでに指摘していました。大統領に当選したばかりのオバマ大統領の守護霊の霊言を収録し、「アメリカは世界の警察ではなくなる」という意思を持っていることを明らかにしていたのです。
この先見性は、まさに世界教師のものであり、私たちはそうした言葉を受けて、世界の危機を未然に防ぎたいと考えているのです。国連に代わり、世界の諸問題の解決を図るのは、地球的正義を打ち立てることのできる存在です。その気概を持って、私たち幸福実現党は立ち上がっています。世界が紛争で溢れる未来を食い止めるために、神の声は降り続けているからです。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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