インドが潜水艦発射弾道ミサイルの開発に成功か 対中国・パキスタンに向けて
2012.08.02
インド政府はまだ公式発表していないが、同国が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発に初めて成功した、とインドPTI通信が31日報じた。シン首相が同日開かれた式典で開発成功を讃えたという。
インドは今年4月に中国全土を射程に収める大陸間弾道ミサイル「アグニ5」(射程約5000kmの発射実験に成功。今回のSLBMの開発成功と合わせ、中国やパキスタンに対する核抑止力を一段と高めたことになる。
このSLBM(射程約700km)は、すでに完成しているインド初の国産原子力潜水艦「アリハント」に搭載されることになる。同艦はまだ就役していないが、実戦配備されれば、アメリカとはいかずともイギリス並みの核戦略を取ることができるようになる。
日本の外務省公式サイトによれば、インドの核戦略は「信頼できる最小限の核抑止力の保持、核の先制不使用、非核保有国への核兵器不使用、核実験の自発的な停止等を内容とする核政策を採用。弾道ミサイル開発は継続」となっている。合同訓練を何度も行っているアメリカとの関係を強化しつつ、先制核攻撃を受けても戦略原潜による反撃を行うことができる。だから敵は第一撃をためらう、という核戦略を実現させつつある。
本欄でも度々触れてきたが、国境問題などでインドと中国の関係は悪い。日・米・印・豪・韓が連係しての中国封じ込めの観点から見て、インドの核強化は抑止力として働くだろう。
尖閣諸島において中国側が「核心的利益」としたり、沖縄にオスプレイが配備されるなど、にわかにアジアの緊張が高まりつつある。日本国民の多くは未だ気づいていないが、中国は核ミサイルの照準を日本の主要都市に合わせているのだ。
インドは既に対応しつつある。しかし日本では核兵器どころか反原発のデモが行われる始末だ。ことが起きてから準備するのでは遅いのだ。(悠)
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