オーストラリアが関心を寄せる最新鋭日本潜水艦

2012.07.12

オーストラリア海軍の次世代潜水艦建造計画で、日本が技術協力する可能性が高まっている。9日付豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドが報じた。

豪州は中国の海洋進出を受けて海軍力の増強を打ち出し、現有潜水艦6隻の後継として次世代潜水艦を12隻建造する計画だ。計画では水中排水量4000トンクラスの、原子力によらない通常動力の大型潜水艦とされている。豪州側は日本の海上自衛隊が保有する「そうりゅう」型潜水艦の推進システムに注目している。同紙によれば、豪軍の計画責任者は「われわれの課題は推進力システムであり、この規模の(通常動力の)潜水艦を建造しているのは日本以外にない」としている。日豪間の防衛関連の装備・技術分野での協力強化と、昨年12月に緩和された武器輸出三原則と合わせて注目されそうだ。

大戦中の空母の名を冠する「そうりゅう」型潜水艦は、スターリングエンジンを搭載しているのが特徴。これは外気を取り込むことなく、気体の温度差を利用して発電する熱機関だ。熱エネルギーと運動エネルギーを相互に高効率で変換でき、内燃機関のような爆発がないので作動が静粛だ。「そうりゅう」型はスターリングエンジン搭載によって、従来数日間が限度であった潜航期間を2週間程度まで高めた。これは通常動力として世界最高の性能を誇る。

なお、一般に日本の兵器は値段が高いとされる。武器輸出三原則によって兵器の輸出が制限されてきたため、需要が国内だけに限られ、生産数が少ないことから単価が上がるのだ。三原則緩和によって他国に兵器を輸出できるようになった今、豪州政府による技術や艦の購入となれば、量産によって値段が下がり、浮いた防衛予算を有効に使うことも可能になるかもしれない。

かねてより本誌は日・米・印・豪・韓での中国封じ込めを提言してきた。中国を脅威に思っている国は日本の他にもたくさんある。今回の件が各国のつながりを強める一つになることを期待したい。(悠)

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2011年2月19日付本欄 日米印が4月に軍事演習 中国を牽制

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2011年6月12日付本欄 対中国で豪州から日本へ軍事協力強化のラブコール

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2011年7月10日付本欄 日米豪が南シナ海で共同訓練。予言されていた中国包囲網

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