サムライ債 過去最高に迫る

2012.06.13

サムライ債とは、海外企業による円建て債券のことだ。2012年のサムライ債発行額は6月8日時点で1兆2202億円と前年同期を2%上回り、08年以来の高水準(トムソン・ロイター調べ)となっている。このままのペースでいけば、年間で過去最高だった08年の2兆3077億円を超える可能性があると12日付日経新聞が報じた。

世界の社債市場の2012年1~5月の発行額は約1兆3000億ドル(約100兆円)と、前年同期比で約1割減少し、中でも欧州市場は約3割急減して約5000億ドルとなった。その中で日本は最高額を更新しようとしている。日本の安定性が、格付けの高いグローバル企業をひきつけている。

日本は20年続く不況の中、円高が止まらず大変だと報道され続けているが、世界規模で見ると日本はまだまだ元気だということがお金の流れで明らかになった。

今回は、ギリシャ危機のために欧州から逃げた資金が日本にきているのだろう。初のサムライ債の発行を決めたスウェーデンの銀行ノルデア・バンクも、「日本市場に初めてアクセスし、資金調達手段を増やす」(主幹事証券のメリルリンチ日本証券)狙いだという。

欧州危機はお気の毒だが、何か問題があるたびに、日本の経済力が国際市場で存在感を増す構造は続きそうだ。(居)

【関連記事】

2012年2月号記事 2020年世界は日本を仰ぎ見る Part1

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3569

2011年10月20日付本欄 サムライ債が人気

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3092


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