まだまだ不十分なテロ対応 オウム事件の教訓
2012.06.11
オウム真理教による1995年の地下鉄サリン事件などで特別手配されている高橋克也容疑者は川崎市内の勤務先の寮より現在も逃走を続けている。
昨年の大晦日には平田信被告が出頭し逮捕・起訴され、今月3日には菊池直子容疑者が逮捕された。2人ともに特別手配されていたにも関わらず、長期間の逃亡を続けていた。
さらには平田信被告が警視庁本庁に出頭した際には、警備の機動隊員がここでは受け付けられないので別のところに出頭しろと指示していたことも発覚するなど、警察側の失態も非難された。
このような警察や政府の体制で、国際テロ組織や、他国の諜報・対諜報活動、ゲリラ、特殊部隊への対応が十分にできるとはとても言えない。
現在も逃走を続けている高橋克也容疑者はオウム真理教教団では「諜報省」と呼ばれる非合法情報収集の組織に属していたこともあり、埼玉県内在住の男性名義で住民票や運転免許証を取得していた。
この方法はイスラエルのモサドなどの諜報機関も破壊工作活動などでよく使う手段だ。現在は信販会社のカードやパスポートなどの身元保証確認制度の普及で、単なる偽名のみでは長期間の使用はできなくなりつつあるため、このような手段を使うことが増えている。
政府はさらにもう一段、オウム真理教の一連の事件からその教訓を学び、日本の安全保障と治安警備体制の強化につなげるべきだろう。
具体的には、政府内の情報機関の人員・予算の充実、テロ・ゲリラや特殊部隊攻撃に対する自衛隊初動対応部隊の新設、自治体警察以外の陸自中央即応集団のような展開組織の新設などが考えられる。(弥)
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