国境を超えて、世界を一つに

2010.12.03

(『平和への決断』第6章「平和への決断」より抜粋・編集。2010年12月19日収録)

地球は一つの大きな価値観の下に導かれている

今、私は、新しい信仰を日本から立てようとしています。

かつて地球の半分ぐらいを埋め尽くした、マルクス主義の唯物論信仰を打ち砕き、「地球そのものが、一つの大きな価値観の下に導かれているのだ」という信仰を、今、打ち出そうとしています。それが「エル・カンターレ信仰」です。そして、「その信仰の下において、国境は超えられていくのだ」と説いているのです。

マルクスは、「万国の労働者よ、団結せよ!」(『共産党宣言』)と言って、資本家や政府を攻撃する左翼運動を全世界的に広げていきましたが(いわゆる「インターナショナル」)、結果的にユートピアを実現できませんでした。それは事実として認めなければいけません。

日本においてのみ、今なお、左翼は平和勢力であるかのように言われていますが、世界的に見ると、それはありえません。なぜなら、左翼の国は、ほとんど軍事独裁国家になっているからです。国民がみな平等であり、一部のエリートだけが管理できる体制というのは、全体主義に最も近いので、共産主義は、軍事的な独裁国家が最もとりやすい考え方なのです。

共産主義は、必ず、「国民はみな平等だが、トップの一握りのエリートだけが支配者階級」というスタイルになります。「万国の労働者が、全員、支配階級になる」などということは、現実にはありえないのです。それが、ありうるとしたら、民主主義的なやり方しか考えられません。投票によって選ぶという意味での支配者であれば、全員が支配者になることはありえますが、「労働者全員が、実際の権力者になる」というのはありえないことなのです。そのため、一部の独裁者が必ず出てくるわけです。

左翼は、決して平和勢力ではありません。それを知っていただきたいのです。

当会が政治運動を行うに当たり、平和勢力と衝突しているように言われることもありますが、それは間違いです。彼らは、本当の平和勢力ではありません。彼らが理想としている国家は、みな、軍事独裁国家であり、人権を蹂躙している国家です。要するに、彼らは、日本をそういう国に持って行こうとしているのです。

日本から多元的な価値観や民主的な議論を追い出し、共産主義的な一元国家をつくったならば、どうなるでしょうか。当然、共産党軍ができ、軍部によって完全に支配される国家が出来上がっていくはずです。ですから、決して、平和が来たりはしないのです。

そして、一党独裁型の軍事国家になると、他国への侵略が非常にやりやすい環境ができてきます。「私は、それが望ましいとは思っていない」ということを述べておきたいのです。

「平和と安定・繁栄の時代」は、これからの十年にかかっている

日本は、隣国と領土問題等をいろいろと抱えています。ロシアとは北方四島の問題があり、韓国とは竹島の問題があります。中国とは、尖閣諸島の問題があります。あるいは、最近では、「沖縄も中国領土だ」と言い始めています。

このように、領土紛争のもとは、幾らでもあると思いますが、私は、もう一つ、大きな力が働かなければならないと思うのです。

すなわち、かつて朝鮮半島や中国から仏教や儒教が渡ってきて、日本の国の啓蒙に役立ったことは、歴史的な事実ですが、今度は、日本から、「新しい仏教」とも言える教えを、彼らの国のお役に立つように逆輸出したいと考えているのです。これは帝国主義的な考え方とは違います。人々を文化的な高みに導いていくための運動なのです。

私は、「すべての人に仏性があり、それらは相等しい」と説き続けています。また、「人間が神や仏に近づいていく可能性には、国籍による分け隔てはない。男女による差も、肌の色による差もない」ということを、はっきりと申し上げています。

それから、過去の転生輪廻においても、「日本人なら必ず日本人に生まれる。韓国人なら必ず韓国人に生まれる。中国人なら必ず中国人に生まれる」というようなことはありません。そのことを数多く証明しています。人間は、いろいろな国の、自分の魂修行に合った時代に生まれ変わり、その時代その時代で魂修行をしています。自分が生まれた国家は、暫定的な、その時点での魂修行の場なのです。

したがって、血の流れというか、遺伝子的に連綿と続いてきたものばかりを尊んではいけません。どの国に生まれても、自分を卑下する必要はありませんし、あまりにも高い自尊心を持ちすぎて、他の国を見下すことも、正しい行為であるとは言えないのです。

「この教えによって、世界を、一つの方向に、よりよき方向に導いていく」ということを、多くの人々と共に行っていきたいと思っています。

暗雲たなびく戦乱の時代になるか、それとも、局所的な戦いはあっても、それで止め、平和と安定・繁栄の時代をつくるか。それは、これからの十年にかかっています。

私は、世界の国々に教えを広げ、世界的なコンセンサス(合意)をつくっていこうと努力している者です。

今後、北朝鮮や中国だけでなく、イランなどに対しても批判的なことを言うかもしれません。ただ、当会の信者は、そうした国々にもいますし、これからも増えていくだろうと思っています。また、インドにも、この教えは広がっていくでしょう。

どうか、「幸福の科学の教えは国境を超えた思想である。幸福の科学は国境を超えた宗教である」ということを知ってください。私は、「世界の最後の拠り所になりたい」と強く願っているのです。

みなさんも、その方向で共に努力してくださることを心より希望しています。

平和への決断―国防なくして繁栄なし
大川隆法著
幸福実現党出版刊
1,575円(税込)

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タグ: エル・カンターレ信仰  平和への決断  信仰  The Perspective 

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