格差デモが世界80カ国へ拡大
2011.10.17
米ニューヨークのウォール街で始まった反格差社会デモが世界中に広がった。
15日には、ネットでの呼びかけに応じる形で、G20財務相・中央銀行総裁会議が開催されているパリのほか、イギリス(ロンドン)、イタリア(ローマ)、日本(東京)など80カ国で反格差デモが行われた。
家や職がないことの不満をぶちまけた形だが、東京では「原発反対」「TPP反対」などと、本来の趣旨とは異なる主張も見られたという。
不況で生活が苦しいことには同情を禁じえないし、政策の問題があることも確かだが、個人レベルで見る限り、不幸を人や環境のせいにしていても道は開けないだろう。
それにしても、なぜ今頃になって昔の共産思想を彷彿とさせる格差批判が盛り上がってきているのか。
冷戦の終結によって、20年以上も前にマルクス主義の敗北は誰の目にも明らかになり、資本主義や自由主義が勝利したかに見えた。
しかし、資本主義には、それを裏づける思想的背景、宗教的根拠は薄かった。マックス・ウェーバーの言う、プロテスタントの勤勉や節制の思想が偶然経済発展を促したという程度の根拠では弱かったのだろう。
結局、資本主義も大きな不況によって足元がぐらついている。その隙をついて、マルクス主義が一時的に復活してきたわけだ。
従って、今求められるのは、資本主義を健全な経済発展へと促す、新たな思想であり、新たな宗教だ。それが出現しない限り、世界の経済は羅針盤を失った船のように迷走を続けるしかない。(村)
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