【海外論壇】世界不況は、インフラ投資と金融政策で回避

2011.10.02

米欧が財政の健全化を目指す中で、先進国の極端な歳出削減によって、世界的に不況が拡大する懸念が高まっている。IMFは先月、今年の世界経済の成長率予測を4.3%から4.0%に引き下げ、先進国については成長の鈍化を理由に、良くて1.6%の経済拡大しか見込めないとした。

昨年来のユーロ危機から歳出削減の流れが強まっていたが、これ以上の景気減速と「二番底」を防ぐためには、財政再建をいったん脇に置いてでも、歳出拡大が避けられないという見方がこのごろは強まっている。

米ニューヨーク・タイムズ紙は9月29日の社説で、各国が歳出を増やし、内需拡大で世界経済を下支えすべきとし、「アメリカ政府は財政赤字を削減しなければならないが、それでも経済成長が先だ」と論じている。景気減速による労働市場の悪化を懸念しているOECDとILOも、9月26日からのG-20労働担当閣僚会議に備えて発表したレポートで、「インフラを含めた投資が優先されるべきだ」と述べている。

不況回避には、金融政策との組合せも欠かせない。歳出削減が国内の需要を抑えるほか、経済の見通しが悪いと、企業や家計は投資や消費を控え、デフレが発生するリスクがあるからだ。アメリカン・エンタープライズ研究所は1日付の「経済見通し」の中で、「中央銀行は大量に貨幣を印刷し、デフレ・スパイラルを回避する必要が出てくるかもしれない」と論じている。

インフラ投資などによる内需の刺激によって経済成長を目指し、金融政策によってデフレを回避せよというのが、世界的な景気減速に対する処方箋になる。これはそっくりそのまま、日本経済にも当てはまることだ。財務官僚の言うままに、デフレ下の増税で世界の笑い者となる前に、野田首相は経済政策を考え直したほうがいい。

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