福岡県大任町が「ラスベガスにしたい」と"カジノ"誘致も懸念や批判が噴出 ─ 公の推進事業で社会の堕落を招けば本末転倒
2026.10.31
《ニュース》
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)に関して、福岡県大任町が誘致を表明したことに対し、周辺自治体の首長から戸惑いの声が上がっています。2030年秋に開業予定の大阪でも、IRは経済活性化の起爆剤として期待されていますが、ギャンブル依存症の深刻化なども懸念されています。
《詳細》
2018年に成立したIR整備法では、国内で最大3カ所のIRを設置することが可能です。政府は30年秋に開業する大阪府・市の次の候補地を27年に公募して選ぶ方針で、愛知県が申請を検討しています。北海道では、苫小牧市と函館市が誘致に関心があると表明していますが、法定手続きが間に合わないとして、来年の申請は見送る方針です。
そうした中、福岡県大任町の永原譲二町長が9月に、「田川市郡の起死回生の一手」「大任町にラスベガスをつくるだけ」としてIR構想を表明。10月7日には、田川地域の首長や議長と共に記者会見を行い、IR誘致の意義について「石炭産業に代わる大きな産業」となると語りました。
ただ、懸念の声も強くあります。かつて大任町と同じく石炭で栄えた直方市の大塚進弘市長は10月2日の会見で、大任町のIR構想について「地域振興の道具立てとしてどうなのか。やっぱり額に汗してしっかりと地道な形で生活のベースをつくることを我々はやらないといけない」と指摘し、「国の政策を取り込むのに専念してきたところから、自立に依拠した形で政策を打つ方が真っ当かなと思う」としています。
10月20日には、永原町長が福岡県庁を訪問し、国への申請を速やかに行うよう、要望書を提出しました。これに対して福岡県の服部誠太郎知事は、「IR事業が成功すれば、経済や雇用の面において効果をもたらすと考えられる」とした上で、「その副作用についても十分に注意する必要がある」と発言しています。
大任町のIR誘致に関しては、10月19日に公益社団法人「ギャンブル依存症を考える会」が慎重な検討を求める要望書を福岡県知事と大任町長宛に郵送。「想定される経済効果が得られないどころか、ギャンブル依存症及びこれに起因する多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の深刻な社会問題の増加によって、著しい社会的な損失を生ずることになりかねない」として、メリットがリスクを上回るのかどうか、慎重な判断を求めました。
29日には幸福実現党福岡県本部が福岡県庁を訪れ、福岡県知事宛に「県内へのIR誘致に反対する要望書」を提出。「経済活性化を促したいのであれば、問題の多いカジノなどに頼らず、消費税の減税や法人税の大幅引き下げ、大胆な規制緩和などで民間企業の自由拡大を図るべき」として、誘致承認の断念と、IR推進法及びIR実施法について撤廃を含めた見直しを国に求めるよう要望しています。
《どう見るか》
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