領土や鉱山をも"売り渡す" ─ タジキスタンに忍び寄る中国の経済的侵略【チャイナリスクの死角】
2026.03.19
国際政治学者
佐久間 拓真
(ペンネーム)
国際政治の中でも特に米中関係、インド太平洋の安全保障、中国情勢を専門にし、この分野で講演や執筆活動、現地調査などを行う。
中央アジアの最貧国であるタジキスタンが、今、静かなる経済的侵略の最前線に立たされている。
中国が推し進める巨大経済圏構想「一帯一路」の影で、この山岳国家は国家主権の根幹を揺るがすほどの過度な債務依存に陥っている。一見するとインフラ整備や資源開発を通じた近代化の恩恵に見えるが、その実態はチャイナリスクの死角から忍び寄る巧妙な領土・権益の簒奪に近い。
借金免除と引き換えに「パミール高原の領土割譲」
タジキスタンの対外債務の約半分は中国への借入が占めており、その額は国内総生産(GDP)の約3割に達する規模である。資金不足に喘ぐ現地のラフモン政権にとって、中国からの融資は喉から手が出るほど欲しい命綱であった。
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