議事堂襲撃事件をトランプ氏が扇動したかのような報道で英BBC会長が異例の辞任 ─ 次々と明るみになるメディア偏向の闇
2025.11.11
《ニュース》
イギリスの公共放送BBC(英国放送協会)が、トランプ米大統領の演説を「改ざん」し、トランプ氏が2021年1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃事件を扇動したかのように「偏向報道」をしていたことで非難を受け、幹部2人が突然辞任する異例の事態となりました。
《詳細》
問題となった番組は、BBCの時事番組「パノラマ」で、昨年10月28日(米大統領選挙の1週間前)に放送された「トランプ:セカンドチャンス?」と題された1時間のドキュメンタリーです。英紙テレグラフが入手したBBCの内部告発文書によると、番組では、2021年1月6日にトランプ氏が行った演説の映像を恣意的につなぎ合わせることで、トランプ氏が議事堂襲撃の暴動を扇動したかに見せる放送を行ったといいます。
実際の演説では、トランプ氏は「平和的かつ愛国的な声を届けるために、ここにいる全員が、もうすぐ議事堂に向かって行進するだろうということを私は知っています」「私は皆さんと一緒に行きます。私たちは歩いていきます」と述べ、その約54分後に、選挙における不正を非難するという別の文脈で、「我々は死ぬまで戦う。もし君たちが死ぬまで戦わなければ、もはや国は存続できないだろう」と発言しました。
BBCは、この二つの文章を繋げ、あたかもトランプ氏が「支持者と共に議事堂まで歩いていき、死ぬまで戦う」と発言したかのように映像を編集。さらに、その発言に続いて、デモ隊が国会議事堂に向かって行進した映像(実際にはトランプ氏の演説前に撮影された)を放映し、トランプ氏が"暴動"を扇動したかのように報じました。
内部告発を行った、BBCの編集基準委員会(EGSC)の元外部顧問マイケル・プレスコット氏は、「(トランプ氏が)支持者たちに議事堂に行って戦うよう明確に呼びかけなかったという事実は、暴動を扇動した罪で連邦法違反の訴追がされなかった理由の一つ」であり、BBCの編集は「完全に誤解を招くもの」と指摘。「BBCのジャーナリストが、実際には言っていないことを『言わせる』ためにビデオを編集することが許されるのであれば、BBCのガイドラインに何の価値があるのか、なぜBBCを信頼すべきなのか」と指摘しています。
またプレスコット氏は、この件に関してEGSCに対し何度も警告したものの、「却下または無視」され、「問題が明るみに出てもBBC幹部が何もしないことに絶望した」と述べています。
プレスコット氏による内部告発文書の内容が今年11月3日、テレグラフ紙で報じられると、BBCへの「組織的な腐敗」に対する批判が相次ぎ、9日には、同放送局のティム・デイヴィー会長と、ニュース部門トップのデボラ・ターネスCEOが突然辞任する異例の事態となりました。
トランプ氏は9日、自身のSNSで、「彼らは大統領選挙の天秤に乗ろうとした、非常に不誠実な連中です。何よりも、彼らは外国出身で、多くの人が私たちの一番の同盟国だと考えている国です。民主主義にとって、なんと恐ろしいことでしょう!」と投稿。トランプ氏の弁護団はBBCを名誉毀損で告発し、BBCが14日までに、放送した嘘を「完全かつ公正に撤回」しなければ、10億ドルの訴訟を起こすとしています。
BBCはイギリス国民から年175ポンド(約2万円3千円)の受信料を徴収しており、役員は政府によって選ばれています。公的責任と、イギリス国内外に放送事業を展開する影響力の大きさから見ても、報道姿勢の偏りによる信頼の低下は必至です。
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「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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