「園児の着替え」など防犯カメラ映像500件が海外サイトに流出 ─ デジタル化で高まる「監視社会」のリスクを直視し、「自由の価値」の見直しを

2025.11.04

《ニュース》

日本の屋内・敷地内に設置された防犯カメラ(ネットワークカメラ)のライブ映像約500件が、海外サイトに公開され、誰でも見られる状態になっていたことが読売新聞と情報セキュリティー会社「トレンドマイクロ」の調査で明らかになりました(11月4日付読売新聞)。

《詳細》

近年、防犯カメラは、映像をインターネット経由でパソコンやスマートフォンで遠隔で確認できる「ネットワークカメラ」が主流になっており、企業はもちろん、一般家庭でも「見守りカメラ」や「ペットカメラ」として導入が進んでいます。

読売新聞とトレンドマイクロが9~10月、国内外のネットワークカメラのライブ映像を収集・公開しているサイトを調べた結果、海外で運営されている7つのサイトに、「日本」に該当する映像が計約1340件公開されていたことがわかりました。そのうち、保育園や食品加工工場、パン工場、設備会社、スーパー、高齢者施設、飲食店、コインランドリーなど、「屋内」を撮影していると見られる監視カメラ映像は90件。民家の玄関先や集合住宅のエントランス、神社の境内、駐車場など「敷地内(屋内以外)」の映像は400件超、観光地など屋外は700件超に上るといいます。

読売新聞は屋内の映像について、海外サイトに公開されていることを設置者に知らせるため、映像内の情報からカメラの設置場所を調査し、約20カ所を特定。そのうち、取材ができた11カ所の設置者は、いずれも映像が漏洩していた事実に気づいていなかったといい、カメラには「パスワード認証が未設定」「映像の公開範囲を誤って設定」といった不備が確認されたといいます。

大阪近郊の保育園では、3台のカメラ映像から、園児らが「園庭でドッジボールをしている様子」や「布団を並べて寝ている様子」、「着替える様子」が最長5年にわたって流出。これらのカメラは防犯目的で15年ほど前に設置され、保護者向けにパスワード付きの配信サイトで配信されていました。

同カメラのネットワーク構築を担当していたIT業者は、「保護者向けのサイトは毎年度、パスワードを更新しており、このサイトを通じて漏れ出ていたとは考えにくい。カメラが直接ハッキングされた可能性がある」と説明しています。

一方、読売新聞と共同で調査を行った「トレンドマイクロ」の成田直翔シニアスペシャリストが3台のカメラの更新状況などを調べたところ、少なくとも1台はカメラ自体のパスワード認証が未設定で、ソフトウェアの更新も10年以上行われていなかったといいます。そのため、カメラのIPアドレスをネット検索すると、パスワードの入力なしで映像が見られる状態になっていたと報じられています。

成田氏は、「何者かがプログラムを使って、外部から見られる状態のカメラのIPアドレスを収集し、広めている可能性がある」と指摘しています。

防犯カメラ映像が流出して場所が特定されることで、侵入や窃盗、誘拐、技術流出などのリスクが高まります。ネットワークカメラの映像が第三者に見られ、悪用される事例は10年以上前から発生していますが、対策が追い付いていないのが現状です。

《どう見るか》

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タグ: 着替え  監視カメラ  サイバー攻撃  ペットカメラ  不正アクセス  防犯カメラ  ネットワークカメラ  見守りカメラ  中国製  ライブ映像  パスワード 

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