台湾をめぐる南太平洋での中国の外交戦【チャイナリスクの死角】
2025.10.09
中国の経済利益や圧力で台湾と断交する国が増えている南太平洋。
国際政治学者
佐久間 拓真
(ペンネーム)
国際政治の中でも特に米中関係、インド太平洋の安全保障、中国情勢を専門にし、この分野で講演や執筆活動、現地調査などを行う。
中国は近年、南太平洋地域において、台湾と外交関係を結ぶ国々に対し、国交を断絶させ、中国に切り替える圧力を強化している。台湾の国際的地位を低下させ、最終的には"統一"に向けた政治的な環境を整える戦略である。
経済援助と引き換えに台湾との断交を迫る
南太平洋には従来、台湾と外交関係を維持する国々が多かった。しかし近年、これらの国々が相次いで中国との国交に切り替えている。
例えば、2019年にはキリバスとソロモン諸島が台湾との断交を発表し、中国と新たに国交を樹立した。こうして台湾と外交関係を持つ南太平洋の国々は減少し、台湾の国際的孤立が進んでいる。
中国は経済援助やインフラ整備を通じて、南太平洋の島嶼国に対する影響力を強化している。これらの支援は、島嶼国の経済発展に寄与するかにも見えると同時に、中国との関係を深化させる手段としても機能している。例えば、ソロモン諸島は台湾との断交後、中国からの経済支援を受けていることが報告されている。
中国は「一帯一路」構想を通じて、南太平洋地域での存在感を高め、島嶼国も構想に参加することで、経済的利益を享受している。
米豪も島嶼国との関係強化で対抗
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