親中パキスタンでも「一帯一路」に人々の不満爆発 ─ 一部では反中テロまで【チャイナリスクの死角】

2025.09.10

パキスタン・カラチのジンナー国際空港(A.Savin/Wikipedia)。

国際政治学者

佐久間 拓真

(ペンネーム)
国際政治の中でも特に米中関係、インド太平洋の安全保障、中国情勢を専門にし、この分野で講演や執筆活動、現地調査などを行う。

一帯一路構想などにより中国との蜜月が注目される国々も、現地では中国への激しい不満が渦巻いていることが多い。

2024年10月6日夜、パキスタン南部カラチの国際空港付近で爆発事件が発生し、中国人エンジニア2人を含む死傷者が出た。分離主義武装勢力バロチスタン解放軍(BLA)が犯行声明を出し、中国の一帯一路構想関連プロジェクトを標的とした攻撃であると表明。パキスタンでは中国・パキスタン経済回廊(CPEC)を中心に中国の投資が進むが、地元住民の不満や資源搾取への反発からテロが頻発している。

パキスタン最貧地域で「資源搾取」や「利益の国外流出」に不満

中国の一帯一路構想は、アジアやアフリカを結ぶインフラ整備を通じて経済圏構築を目指す戦略だ。パキスタンではCPECを通じ、約620億ドルを投じてグワダル港や道路、発電所が整備されている。特にバロチスタン州のグワダル港は戦略的要衝として中国が注力してきた。

しかし、同州はパキスタンで最も貧困な地域で、天然ガスや鉱物資源の恩恵が地元に還元されず、住民の不満が高まっている。CPECは雇用創出や生活向上に寄与せず、資源搾取や利益の国外流出を加速させるとの批判が強い。

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タグ: 資源  中国人  パキスタン  佐久間拓真  親中  チャイナリスクの死角  一帯一路  バロチスタン州  テロ  反中テロ 

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