「創業者物語 初めの10年」 京セラ稲盛和夫 ─ 「狂」と「常識」の間を自由に行き来する
2025.06.29
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2025年8月号記事
「創業者物語初めの10年」 京セラ稲盛和夫
「狂」と「常識」の間を自由に行き来する
ほとんどの企業が、初めの10年で潰れると言われる中、一部の経営者は幾多の試練を
くぐり抜け、商売を軌道に乗せていく。なぜそんなことができるのか。京セラの事例で学んでみる。
(ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ 村上俊樹)
2024年の倒産件数は9901件と、2013年以来の1万件の水準に迫っている。休廃業・解散は6万9千件と過去最多。これまでにない勢いで会社が消滅しているのだ。
だからこそ、開業率を高めて日本経済を活性化させ、日本を覆う景気の停滞感を打ち破る必要がある。しかし、起業して成功するのは容易ではない。
大川隆法・幸福の科学総裁は、『人格力』で次のように述べる。
「起業して最初の十年以内に、ほとんどの企業は潰れます。三年以内に潰れる新企業がいちばん多く、五年以内や十年以内で潰れるところもあり、新企業の大部分は十年以内に潰れるので、まず十年を乗り越えることが非常に大事です」
では、どうすれば、初めの10年を生き残ることができるのか。大川総裁は同書で、こうアドバイスする。
「経営力をつけようと思うならば、いちばん早いのは、やはり、成功した経営者の書いた経営書や自伝を数多く読むことです。これが、経営力をつけるための、いちばんの早道です。
そういう本はヒントの山であり、数多くのヒントが書かれています。どのような会社であっても、ほとんどの事件は十年以内に一通り起きるので、『他の会社が、それをどのように乗り越えてきたのか』ということを知れば、あなたは、その対策が打てるのです」
そこで、今回学びたいのは、戦後の代表的なベンチャー・京セラだ。その創業者の稲盛和夫は、京セラを一代で一兆円企業に育て上げただけでなく、第二電電(現KDDI)を創業して通信事業の自由化に貢献し、近年では「誰もできない」と言われた日本航空の経営再建に成功。まさに現代における「経営の名人」だ。京セラの初めの10年はどうだったのだろうか(以下、敬称略)。
※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。
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