【名画座リバティ】どしゃぶりでも幸せ──『雨に唄えば』
2025.03.16
みなさん、こんにちは。今後月に2回程度、日曜日に名作映画の紹介を書かせていただくことになった田中 司と申します。
私は以前「ザ・リバティ」編集部に所属し、映画紹介ページも担当していました。現在は幸福の科学の他の部署に所属しながらハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)で映画関係の授業も担当しています。どうぞ、よろしくお願いいたします。
新しく公開される(された)映画を紹介する記事は、すでにリバティ本誌にもこのwebにもありますので、このシリーズでは洋画・邦画の旧作のなかから今こそ観たい作品を取り上げていきます。
「名画座リバティ」というシリーズ名の「座」は「ザ・リバティ」のTheとかけたつもりです(笑)。
さて、今回は初回ですので、企画の狙いも少し書いてみたいと思います。
大川隆法・幸福の科学総裁の近著『なお、一歩を進める』第4章に次のようなくだりがあります。
「『本を千冊ぐらい読めば教養人の仲間入りができる』と言いましたけれども、映画も、『いろいろな種類の映画を千本ぐらい観ておけば、だいたい、人生のことはほとんど分かる』と言われています。(中略)そういう努力はなされたらいいのではないかと思います。(中略) 外国映画等も、いろいろなところのものを観ていると勉強になることは多いので、そういう経験を大事にされたらいいのではないかと思います」
つまり読書と並んで、映画も千本ぐらい観ると、人生についての教養が身に付くというアドバイスです。
そしてその千本は、仏法真理的な価値を含んだ名作であることが望ましいのは言うまでもありません。
簡単に言えば、時の流れを経て愛され続けている、観て「幸せになれる映画」です。
そんな珠玉の作品たちを、皆様の映画千本鑑賞・踏破のお手伝いとしてご紹介していければと思います。
第一弾のおすすめは、ミュージカル映画の傑作とされる1952年のアメリカ映画「雨に唄えば」です。
なぜ今この映画なのかというと、この往年の名作が現在、全国の劇場で公開中であり映画館の大スクリーンで観られる貴重な機会だからです。
全国のTOHOシネマズ数十館で実施されている「午前十時の映画祭」は、内外の名作を年に数十本、毎朝一回だけ上映しており、映画ファンの好評を得てこの4月から15年目に入ります。
『雨に唄えば』は同企画の今年度の最終上映作品として、2月28日から公開中です。
今の時代、多くの旧作映画はDVDや各種の配信サービスで観ることができますが、映画、特に昔の映画は本来、劇場のスクリーンで鑑賞することを前提としてつくられています。
映画字幕翻訳の第一人者である戸田奈津子氏は「午前十時~」のサイトで、同企画で上映されるような過去の名画について「大画面、ベスト音響で楽しめるよう、全スタッフが心を砕いてつくりあげた作品だ。それ以外のかたちで観ることは作品への冒涜。彼らが意図したかたちで観賞するのが、真に映画を愛する者の心得だ」と述べています。
スクリーンで味わうことの素晴らしさは私も心から同感です。
この『雨に唄えば』は1950年代の古き良きアメリカ映画らしい、ハッピーになれるミュージカルコメディです。
舞台は1920年代、サイレント映画からトーキー(映像と音声が同期した映画)に移行する時代のハリウッド。
長くなるのでストーリー紹介は省きますが、とにかくジーン・ケリーのダンスが圧倒的で、他のキャストと数人で踊っていても不思議とケリーに目が吸い寄せられてしまいます。
ダンスが好きな若い人も、70数年前の本作を観ずしてダンスを語ることはできないでしょう。
アメリカのミュージカル映画の頂点ともいえる本作のケリーのダンスの表現力は、大衆芸能でありながら芸術の域に達していると言うしかありません。
どしゃぶりの雨のなかで幸せいっぱいに踊りまくるシーンはあまりにも有名であり、街灯を使って踊るところは『ラ・ラ・ランド』(2016年)にも取り入れられていました。
この場面でなぜ彼がそんなに幸せなのかというと、撮影中の映画を起死回生でヒットさせ、かつ恋人の仕事の成功にも結びつく素晴らしいアイデアを、仲間と話し合って思いついた後だからです。
人は、たとえ「どしゃぶりの雨」のような厳しい状況のなかにあっても、成功を志し希望を信じて歩いていけば、幸せに前向きに生きていける。
そんな時代を超えた人生の真実を、このシーンは教えてくれます。
降る雨を顔に受けながら「I'm happy again」と歌うケリーのアップを、ぜひこの機会にスクリーンでご覧になってはいかがでしょうか。(田中 司)
『雨に唄えば』
- 【公開日】
- 2025年2月28日~3月27日(劇場により異なります)
- 【スタッフ】
- 監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
- 【キャスト】
- 出演:ジーン・ケリー、ドナルド・オコナー、デビー・レイノルズほか
- 【その他】
- 1952年製作 | 103分 | アメリカ
公式サイト https://asa10.eiga.com/2024/cinema/1301/
【関連書籍】
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内
YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画