脳死判定の36歳米国人男性、臓器摘出直前に目を開け、ベッド上で動き、涙を流す 脳死は人の死ではない
2024.10.26
《ニュース》
米ケンタッキー州の病院で、脳死と判定された36歳の男性が臓器摘出の直前に目を開けて、臓器摘出手術が中止になっていたことが分かりました。米公共ラジオ放送NPR(17日付)や米ニュースメディア「People」(19日付)などがこのほど報じています。
《詳細》
NPRなどの報道によると、アンソニー・トーマス・TJ・フーバー2世さんは2021年10月25日、薬物の過剰摂取で心停止を起こし、病院に緊急搬送されました。医師は脳死と判定し、翌日には生命維持装置を外すことになりました。フーバーさんは臓器提供する意思表示をしていたため、臓器移植を進めるために、臓器の検査を実施しました。
29日の臓器摘出の手術前、フーバーさんが集中治療室から手術室に移動する中、家族や友人、医療スタッフが「見送りの儀式」を行っていた時、死亡宣告されたはずのフーバーさんが目を開けて周りを見回したのを、フーバーさんの妹ドナ・ローラーさんが目撃したのです。
ローラーさんはNPRの取材に対し、「まるで彼は私たちに『おい、まだ生きているぞ』と知らせているようでした」と語っています。ローラーさんは病院側にそのことを伝えましたが、「よくある反射作用」だとして、取り合ってくれなかったといいます。
その後しばらくすると、フーバーさんは体を動かし、涙を流し始めました。それは、手術室で臓器保存の準備をしていたケンタッキー臓器提供協会(KODA)の元職員ナターシャ・ミラーさんの証言で、明らかになりました。ミラーさんは、フーバーさんが手術室に運び込まれてきた時、すぐに何かがおかしいと気づき、フーバーさんが生きているように見えたと語っています。
NPRの取材に対し、ミラーさんは「彼はベッドの上で、手足を動かしていました。近くに行ってみると、涙を流しているのが分かりました。彼は明らかに泣いていました」と述べています。
2人の医師は「関わりたくない」と言って、手術に参加することを拒否。手術室にいた全員がとても動揺したといいます。フーバーさんの臓器摘出手術は中止となりました。3年経った今、フーバーさんは、歩くことや話すこと、記憶することに障害を抱えながらも、ローラーさんと一緒に暮らしています。
この事件は、KODAの元職員であるニコレッタ・マーティンさんが内部告発し、今年9月、臓器調達組織を調査する公聴会を開催した米国下院エネルギー・商業委員会に書簡を送ったことで明らかになりました。マーティンさんは、この事件をきっかけにKODAを辞職した職員の一人です。
マーティンさんによると、フーバーさんは摘出手術日の朝、心臓カテーテル検査の最中に目を覚まし、手術台の上で手足を動かしていたそうです。しかし、医師らは鎮静剤を投与して、臓器摘出手術を行おうとしたといいます。NPRの取材に対し、マーティンさんは「生きているのに、誰かが自分の体を切り裂いて、体の一部を取り出すなどということは、全ての人にとって『最悪の悪夢』」であり、「本当に恐ろしい」と述べています。
《どう見るか》
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