オーストラリア連邦裁判所が女性専用アプリの使用を拒否された「元男性」の「差別」との主張を支持し、「性別は変化しうる」と言及 「更衣室」と同じで生物学的男性を想定していないアプリの使用権利が侵害されている

2024.08.29

《ニュース》

オーストラリア連邦裁判所がこのほど、「女性に性転換した元男性」が女性専用のソーシャルメディアアプリへのアクセスを拒否されたのは「間接的差別」にあたるとして、アプリの運営会社に賠償金などの支払いを命じました。

《詳細》

訴えを起こしたのは、出生時は男性で、その後、性別変更の手術を行い、出生証明書を変更して女性として生活してきたロクサーヌ・ティックル氏です。

ティックル氏が2021年にダウンロードした女性専用のアプリは、「女性が安全な空間で自身の経験を共有できる、オンライン上の避難場所」と掲げられているもので、顔写真をAIに判定させて男性と判定されると使えないものでした。

ティックル氏は当初、査定をクリアして参加していました。ところが、7カ月後に利用資格を取り消されたことで、アプリ会社が外見によって自分のことを「女性ではない」と判定したと疑っています。そして、自分は女性を自認する者として女性向けサービスを利用する権利があり、差別を受けたと主張しました。

一方、同ソーシャルメディアのサル・グローヴァーCEOは、性別とは生物学的概念であり、変えられるものではないと主張し、「ティックル氏は生物学的には男性」であるとの認識を示しています。これに基づいて弁護団は、ティックル氏の利用を拒否することは合法だったと主張しました。

連邦裁の判事は、性別は「必ずしも男性・女性の二つの要素で構成されているものではない」ということは、過去の判例で一貫して指摘されているとし、ティックル氏の主張を認めています。グローヴァー氏は、「残念ながら、私たちが予想していた判決を受けた」としつつ、今後、連邦高等裁判所への上告を目指しています。

この判決が大きな波紋を広げているのは、裁判所が人間の性別を「男性・女性に限定されない」としていることです。それにより懸念されているのは、これまでは当然のものとして受け入れられてきた「女性だけの空間」という概念が破壊され、女性の権利を侵害しかねなくなることです。

《どう見るか》

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タグ: オーストラリア  女性専用アプリ  差別  生物学的男性  侵害  自認  性別  トランスジェンダー  性別変更 

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