「ノルドストリームを爆破したのは米国の工作」と著名ジャーナリストが指摘 ロシアが犯人という証拠がない中、波紋を広げている

2023.02.10

《ニュース》

ロシアとドイツを結ぶ海底パイプライン「ノルドストリーム」が昨年9月に爆破され、その実行犯が不明である中、ピューリッツァー賞などを受賞した著名な米ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が今月8日、自身のブログにアメリカの工作によって引き起こされたとする記事を掲載しました。有名ジャーナリストが疑惑を指摘しただけに、ホワイトハウスはコメントを求められ、「全くの虚偽で、完全なでっち上げだ」と否定しました。

《詳細》

ハーシュ氏は、米共和党関係者が民主党本部に盗聴器を仕掛けたウォーターゲート事件や、ベトナム戦争での米軍による虐殺事件、イスラエルの核開発疑惑の暴露などで有名なジャーナリストです。

同氏が米国防総省などを匿名取材したところによれば、ロシア軍の軍事介入が高まっていた2021年12月、サリバン大統領補佐官が関係者を集め、ロシアが介入した場合の対策を協議しました。これを受けバーンズCIA長官が、「米海軍のダイバーが爆弾を設置し、パイプラインを破壊する計画」を立案します。

そしてバイデン大統領が22年2月7日に、「ロシアの戦車や兵士が再びウクライナ国境を越えて侵攻したら、ノルドストリーム2の計画はなくなるだろう」「我々はそれを終わらせる」などと発言(パイプラインは計4本あり、ドイツとロシアを結ぶのがノルドストリーム2)。バイデン氏の突然の発言に周囲は驚きましたが、計画を知る政府高官の何人かは、爆破計画が大統領の頭の中にあることを知るよいきっかけとなったようです。

ついにロシアが特別軍事作戦を開始した後、ノルウェー海軍の支援を受けた工作チームは、6月にバルト海で行われた北大西洋条約機構(NATO)の訓練を隠れ蓑にして、パイプラインに爆弾を設置する日が近づきます。ところがホワイトハウスは、設置から48時間以内に爆発させてしまえば、演習との関連性を疑われることを懸念。後日、爆破させる計画に修正します。そして9月になり、ノルウェー軍の哨戒機が日常的な飛行を装い、水中音波探知機を海中に投下し、そこから発した最先端の信号処理技術によって爆発させたといいます。

ハーシュ氏の指摘によると、アメリカはロシア産のエネルギーに依存するヨーロッパへの懸念を持っており、ノルウェーとしてもパイプラインを爆破できれば、自国のガス会社が利益を得られると考え、両国の利害が一致していたといいます。

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タグ: 工作  アメリカ  ドイツ  パイプライン  シーモア・ハーシュ  ノルドストリーム  盗聴器  ロシア 

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