大恐慌の足音が聞こえる
2022.12.22
2023年2月号記事
大恐慌の足音が聞こえる
高インフレがアメリカおよび世界各国を襲っている。今後の見通しを探った。
アメリカでは40年ぶりの物価高が続いている。
1年前と同じ生活水準を維持したければ、月に460ドル(約6万3千円)余分に支払わなければならない。このため国民は子供を連れてスーパーに行かない、外食をしないなど、生活費の切り詰めに追われている。
現在、30年固定の住宅ローン金利は、利上げ前の2倍超に跳ね上がり、住宅関連の売り上げは大幅に落ち込んだ。メタ、アマゾン、ツイッターなどのIT企業でも大規模解雇が始まった。
大恐慌(Great Depression)に陥ったリーマンショック時と同様に、株価はピークから50%下落することもあるという予測もある(*)。世界経済のエンジンであるアメリカが不況になれば、世界はアメリカに買ってもらえず、各国の輸出は打撃を受け、不況が世界を覆うことになる。アメリカや世界は、今後インフレから大恐慌に追い込まれるのか。
(*)世界最大級のヘッジファンドの1つであるエリオット・マネジメントによる予測。同社は、世界は「ハイパーインフレ」に向かっており、第二次世界大戦以降で最悪の金融危機に突入する可能性があると警告した。
バイデン政権下のインフレ率
米労働省労働統計局の統計結果より編集部作成
次ページからのポイント
ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU) 西一弘氏インタビュー
今回のインフレはもうコントロール不可能!?
政策を誤ればハイパーインフレになることもある
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