釈量子の志士奮迅 [第104回] - 中国共産党100周年 習近平vs.宗教の行方は!?

2021.05.27

2021年7月号記事

幸福実現党 党首

釈量子の志士奮迅

第104回

幸福実現党 党首

釈 量子

(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
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中国共産党100周年

習近平vs.宗教の行方は!?

中国共産党は今年、結党から100周年を迎えます。第一回党大会が行われたのは上海のフランス租界にあった党員宅。私も数年前に視察しましたが、木製机のある小さな部屋でした。まさかそこから今のような巨大帝国が生まれるとは、誰も想像しなかったでしょう。もちろん、今ほど世界中から非難されるような国家になるということも──。

共産主義は一種の"宗教"

中国共産党の根本にあるマルクス主義について、大川隆法・幸福実現党総裁は、宗教によく似ていると洞察しています。カール・マルクスが『旧約聖書』を換骨奪胎して、思想をつくったためです。そうした背景もあってか、共産主義国では必ず独裁者が神になり代わり、自分を崇拝させるようになります。

特に近年の中国では、習近平氏が国家主席に就任してから、そうした性質が先鋭化しています。同政権は2018年3月の全人代で憲法を改正し、「習近平思想」を打ち出しました。まさに、自ら神になり代わろうとする野望が、露わになったと言えます。

"宗教"であるからこそ、彼らにとって最大の目の敵は「宗教」です。

中国の象徴的な人権弾圧──「チベットで僧侶を虐殺している」「ウイグルで数百万人を強制収容所で拷問し、ムスリムのアイデンティティを捨てなければ殺害している」「法輪功や全能神といった新興宗教の信徒を片っ端から摘発し、臓器狩りといった残忍な弾圧を加えている」──はどれも、本質は宗教問題です。神仏への信仰が独裁体制を維持する上で、最大の妨げとなるのです。宗教と、唯物論に基づく共産主義とは、水平線を挟んだ空と海のように、決して相容れることがありません。

習近平政権は「自治区」以外でも、猛烈な勢いで宗教統制を進めています。条例の変更や法律の制定などによって、屋外の仏像を爆破したり、観音像の首を孔子の頭像にすげ替えたり、教会から十字架を撤去するといった蛮行は、日本ではほとんど知られていません。また今年に入って、「宗教教職人員管理弁法」(5月施行)や「宗教院校管理弁法」(9月施行)で、聖職者や宗教学校への締め付けも強化します。

そのなかで彼らが特に熱心にやっているのは、「宗教の中国化」と言われるもの。これは、習近平氏が15年の「党中央統一戦線工作会議」で使い始めた、おぞましい概念です。単に宗教を制限するのみならず、中国国旗を掲揚させ、国歌を歌わせ、神仏に代わって習近平氏を崇拝させる──宗教の中身を改造するという、最も罪深い行為に踏み込んでいるのです。それも、彼らが宗教組織を使って洗脳している共産主義とは、ソ連における粛清の嵐や毛沢東の「大躍進政策」「文化大革命」など、無数の人々の命を奪ってきた「悪魔がつくった邪教」に他なりません。

日本を唯物論国家にしてはならない

独裁政権による悪夢を終わらせるのは、彼らも恐れている通り、やはり宗教の力です。

歴史を見ても、これは一つの法則です。清朝ひとつをとっても、18世紀末の仏教系の「白蓮教徒の乱」、続くキリスト教系の「太平天国の乱」、扶清滅洋を掲げた宗教結社による「義和団の乱」と、立て続けに起きた革命運動で滅亡していきました。中国には古来、「易姓革命」の思想があります。王朝の支配者の姓が易り、天帝の命(意志)が革まる──神仏の意志を受けて、圧政を打ち破るというのは、中国の伝統的歴史観そのものです。

中国各地では、年間20万件とも30万件とも言われる暴動が起きています。それらは表面的には、「賃金不払い」「役人の不正」「貧困」などへの不満を訴えるもの。しかし、各地で燃え上がるそうした不満の「点」は、神仏を信じる人々の力で「面」となり、大きな波に変わっていくはずです。

同時に、私たち周辺国には、そうした独裁国家を国際的に包囲していく義務があります。

日本では、親中議員や親中政党が経済的利益や浅はかな名誉欲に釣られ、この期に及んで中国と関係強化しようとしています。こうした悪しき誘惑を断ち切るのも、正しい宗教心です。この国を中国のような無神論・唯物論国家にしては断じてなりません。

私たち幸福実現党は、共産主義の誤りを糺し、マルクスの「共産党宣言」を永遠に葬り去るという使命のもと、粘り強く戦い続けていく所存です。

中国の書店で山積みになっているという、習近平氏が政治思想を語る著書。画像:humphery / Shutterstock.com

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