NY市警官が進める「ブルー・ライブズ・マター(警察官の命も大切)」活動 「警察=悪」という思想は誤り
2021.05.09
画像:Ben Von Klemperer / Shutterstock.com
《本記事のポイント》
- ニューヨーク警官が「警察が悪いという思想には反撃する」と指摘
- ニューヨーク市では警察予算削減により、凶悪犯罪が増加した
- 街の平和を守る警察に対する感謝もあってしかるべき
黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人警察に首を膝で押さえつけられて死亡したとされる事件を契機に、黒人への人種差別の撤廃を訴える「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動が全米に広がった。バイデン大統領は4月末の施政方針演説で、警察改革に向けて超党派の協力を訴えている。
そうした中、9日付東京新聞に「ブルー・ライブズ・マター 『警察の命も大切』波紋」という記事が掲載された。「ブルー・ライブズ・マター(警察官の命も大切)」とは、危険任務に携わる警察官などを支援する活動だ。ブルーは警官の制服の色に由来する。
東京新聞のオンライン取材に対し、非営利団体「ニューヨーク市ブルー・ライブズ・マター」の設立者であり、現職警官でもあるジョゼフ・インペラトリス氏は、「(BLMは)善意で始まった運動だと思うが、警察が悪いという思想には反撃する」と語った。
ニューヨーク市で14年以上、警察官を務めているインペラトリス氏は、現場の警察官は肌の色に関係なく、取り締まりを遂行しているだけだと指摘する。
また、インペラトリス氏は、大都市では撃ち合いになるなど犯罪が制御不能になっているとも指摘し、「警察から力を奪うようなばかげたことはやめなければならない」と警鐘を鳴らした。
警察予算の削減で犯罪増加
ニューヨーク市議会は、警察改革を求める一部市民の声に応じて、2021年度の警察予算を約10億ドル(約1086億円)削減し、"警察から力を奪って"いる。
それに呼応するように、2020年1~8月のニューヨーク市の殺人事件の犠牲者は同年同期比1.3倍の291人、強盗件数も1.4倍の9942件に達するなど、凶悪事件が増加した。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は、警察予算削減を決定したことが影響していると指摘。専門家の意見として、「パトロール減少や警官の士気低下などが犯罪増加につながっている」と伝えている。
また、ニューヨーク州都市交通局の調査では、最近、犯罪などを恐れて電車利用をためらう乗客が増加。ニューヨーク市警察によると、何百万人もが利用する鉄道システムの中で、1日平均3.5件の重大犯罪が起きているという。
8日にも、ニューヨークの観光名所タイムズスクエアで銃撃事件があり、4歳女児ら3人が負傷したばかりだ。
警官が平和を守ってくれている
インペラトリス氏が指摘する通り、多くの良心的な警官が、命の危険が伴う中、銃を保持する凶悪な犯罪者や暴徒化した市民を取り締まり、街の平和を守ってくれている。
黒人の命が大切なのは当然だ。人種差別はアメリカ社会が長年抱える問題であり、黒人に対する警察の暴力や偏見もその一つとなっている。黒人に対する対処をめぐっては、警察の組織改革も必要だろう。しかし同時に、警官に対する感謝もあってしかるべきではないか。
大多数の警官は、市民に奉仕し、命を懸けて市民を護ろうとする善良な人間である。警察の力が削がれることで喜ぶのは、犯罪者だろう。
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幸福の科学出版 大川隆法著
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