いつでも帰っておいで、香香(シャンシャン)
2020.12.24
写真:つのだよしお/アフロ
2021年2月号記事
いつでも帰っておいで、香香
期限が延長されたものの、いずれ中国へ返還されるパンダの香香。
その生い立ちから、中国の「パンダ外交」に迫った。
(編集部 駒井春香)
再度の自粛要請が東京都より発されていた12月初旬。上野動物園は、香香をひと目見ようという人々で溢れていた。
檻の前には、その姿を撮影しようとする人々が、90分待ちにもかかわらず長蛇の列をつくる。ぬいぐるみやバッジ、バッグなどのパンダグッズを身に着けた「香香ファン」とおぼしき人々も多い。いざ順番が回ってきたら、カメラやスマートフォンで香香を連写し、声をかけ、手を振る……。あまりの人気ぶりに記者も最初は驚いたが、無邪気に笹を食べる香香に、一瞬で心を掴まれてしまった。
日本生まれの大和撫子・香香
香香は2017年6月12日、お父さんパンダの力力、お母さんパンダの真真の間に誕生。香香という名前は約32万通の応募の中から選ばれた。
すくすくと成長し、12月に一般公開が始まると、愛らしい香香の姿を見ようと、多くの人が押し寄せた。同園での赤ちゃんパンダの公開は29年ぶりだった。
日本中から愛され、順調に成長を重ねた香香。20年12月末が中国への返還期限だったが、21年5月末まで延期されることになった。
上野動物園の主なパンダの歴史
1972年10月来園
康康(オス)、蘭蘭(メス)
日中国交正常化を記念して贈呈される。初めてのパンダに日本中が熱狂。
1980年1月来園
歓歓(メス)
1982年11月来園
飛飛(オス)
中国へのODAに対する謝意として贈呈される。歓歓は、1986年に童童(メス)、88年に悠悠(オス)を出産。父親は飛飛。
1992年11月来園
陵陵(オス)
日中国交正常化20周年を記念して、悠悠と交換された。悠悠は北京動物園に。
2011年2月来園
力力(オス)、真真(メス)
2008年に陵陵が死に、パンダ不在の3年間を経て中国よりレンタル。17年、香香が誕生。
ワシントン条約により保護動物の国際取引などが禁止されたこともあり、これ以降中国はパンダの贈与を行っていない。
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