生物進化の見方(2)──唯物論的進化論 【HSU・木村貴好氏の連載「生命の探究に向けて」】

2020.07.20

HSU未来産業学部 アソシエイト・プロフェッサー

木村 貴好

(きむら・たかよし)1971年、埼玉県生まれ。筑波大学第二学群生物学類卒。同大学院修士課程(環境科学)修了、同農学研究科博士課程単位取得後退学。博士(農学)。応用昆虫学分野の研究を行う。農業生産法人、茨城県農業総合センター生物工学研究所を経て、2008年、幸福の科学に奉職。現在、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティの未来産業学部アソシエイト・プロフェッサー。「自然と環境」「基礎生物B」などの授業を担当。著書に『スピリチュアル自然学概論』。

スピリチュアル自然学概論

スピリチュアル自然学概論

木村貴好著

HSU出版会

今西錦司 自然学の創造

『今西錦司 自然学の創造』

木村貴好著

デザインエッグ社

前回に引き続き、現代進化論について考えてみましょう。

この理論について、簡単に述べることは難しいです。例えば、ウィキペディアで「ダーウィニズム」と調べてみても、「用語の意味は、時間と共に変わる。また誰がどのような文脈で用いるかによっても変わる」という印象を強く受けます。

現代進化論についても同じことが言えます。自然選択を柱にしつつ、後付けの論理で"強化"されているところは、まるで妖怪の「ぬえ」のような、あるいはキメラの姿のように見えます。

ある高校生物の教科書には、進化のしくみについて、「まず生物集団の中で遺伝子の変化(突然変異)が起こり、それが自然選択や遺伝的浮動によって集団的に広がることで、生物の進化が起こると考えられている」とあります。

これは簡潔に、現代進化論の主要部分を表現しています。しかし遺伝的浮動とは、もともと自然選択にはかかわらず、ある集団に遺伝子の頻度が偶然変動する現象のことを指します。当初、遺伝的浮動説は、ダーウィニストたちから批判を受けましたが(進化論には思想と信念が含まれるので炎上しやすい)、今は自然選択の補助理論的な扱いで"同じ舟"に乗っています。

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タグ: 生命の探究に向けて  進化論  ウォーレス  唯物論  種の起源  遺伝子  ダーウィン  木村貴好 

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