「菅首相は増税せず、今こそ成長戦略を」米シンクタンク
2011.04.04
米保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のマイケル・オースリン日本部長が米ウォールストリート・ジャーナル紙で、震災復興のために増税論が大きくなっていることに強い反対を表明している。
・ 世論調査で70%が(消費税)増税に賛成し、経団連の会長も法人税据え置きを支持している。これらの自己犠牲は賞賛できるが、増税を日本は必要としていない。
・ 日本企業は今まで以上に競争力をつけないといけない。減税すれば、企業は利益を設備投資や研究開発に振り向けられる。所得税や消費税を引き上げれば、個人消費がさらに冷え込み、国内企業に悪影響が及ぶ。
・ 被災地への投資を決めた企業に優遇措置を講じる必要がある。経済産業省は被災地での地元起業家による事業立ち上げを奨励すべき。
・ 菅首相は、復興のための成長戦略を打ち出し、財政再建のための増税を行わないことで、世界の金融市場に強いシグナルを送ることができる。
国際常識から見ても、復興期の増税はNOということだ。
今は財源論に焦点が当たっているが、結局は「復興のための成長戦略」を一日も早く具体化して、その方向に国民の気持ちと経済活動を引っ張っていくことが大切だ。各メディアを見ても中身のある復興プランはほとんど出ていないが、経営コンサルタントの梅澤高明氏が2日付朝日新聞で具体的な提案をしていた。
・ 海岸から離れた危険度の低い土地をいくつか選ぶ。中心部に免震・耐震構造の高層ビル群を建て、行政機関、商業施設、病院、住居などを入れる。
・ 中心部の住居はお年寄りに入ってもらい、歩ける範囲で生活がまかなえるようにする。
・ 外側の広い土地は田畑をつくって通う。
・ 高層ビル群には先端的な特徴を持たせ、生産から加工・調理・放送までを取り込んだ「農業の工業化」を図るなどする。
自粛、自粛の暗いムードを一掃する復興プランが次々と出てくることを期待したい。(織)
【参考記事】 動画「震災復興への道」
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