ミャンマー和平の立役者は日本人だった 「貯金切り崩し、腹切る覚悟で」

2018.06.25

独立以来70年にわたり、軍事政権と少数民族間で内戦が続いているミャンマー。同国の反政府少数民族は長年、軍事政権の圧政に対し、各民族の伝統文化と人間の尊厳、基本的人権を守るために抵抗してきました。

ミャンマー政府は2015年3月、約20ある勢力のうち、8の勢力(現在は10)と停戦協定を結びましたが、その和平交渉で大きな役割を果たしたのは、井本勝幸さんという日本人でした。

僧侶として国際協力の活動に携わる中で、2010年11月、ミャンマー少数民族の悲惨な現実を知った井本さん。「なんとかしたい」と2011年1月、たった一人でミャンマーに降り立ち、各地にちらばる反政府少数民族のリーダーたちを訪ねて回ったのです。

井本さんは著書『ビルマのゼロファイター』において、「彼らが常々言い続け、今も求め続けているのは、少数民族への対等な権利と民族自決(自治)権であり、ビルマを真の意味での連邦国家にすべきだ、という一点にのみある」と述べています。

本記事では、愛車「ゼロファイター号」で各地を駆け巡り、少数民族勢力と政府の仲介役を果たしてきた井本さんの活動について、紹介します。

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