ロシアゲート - 冤罪で裁かれるトランプ陣営 - 誤報だらけのトランプ報道 Part.2
2017.06.29
写真:ロイター/ アフロ、bibiphoto / Shutterstock.com、Everett Collection / Shutterstock.com、Wikipedia
2017年8月号記事
ロシアゲート―
冤罪で裁かれるトランプ陣営
情報漏えい、補佐官の辞任、秘密回線の設置……。
トランプ政権とロシアとの共謀が疑われている。その真相に迫る。
contents
ロシアゲート - 冤罪で裁かれるトランプ陣営 - 誤報だらけのトランプ報道 Part.2
疑惑1
米民主党幹部のメールを流出させた
「ロシアゲート」―。
この言葉を使って、アメリカでも日本でも、マスコミが「トランプ報道」を繰り返す。
これは「トランプ陣営が違法にロシア政府と共謀し、アメリカに不利益を与えている可能性がある」という疑惑のことだ。
果たしてトランプ陣営は「黒」なのか。主な3つの疑惑について分析したい。
1年近く、証拠が出てこない
米大統領選期間中の2016年7月、内部告発サイト「ウィキリークス」で、何者かが流出させた米民主党幹部の大量のメールが明らかになった。
中でも注目されたのは、ヒラリー・クリントン氏のライバルで同党候補の指名を争っていたバーニー・サンダース氏に対し、同党の上層部が組織的に活動を妨害しようとしていたことを示すメール。この問題は、同党全体の信用を貶めることにつながった。
民主党やマスコミは、この情報漏えい(リーク)について、共和党のトランプ陣営とロシア政府が共謀し、サイバー攻撃を行ったと主張。それを受け、警察機関である連邦捜査局(FBI)は捜査を始めた。だが、1年近く経とうという今も、それを示す証拠は出てきていない。
アメリカ情報機関の"犯行"?
日本ではほとんど報じられていないが、実はこのリークについて、アメリカの情報機関による"犯行"を指摘する声もある。
イギリスの元外交官で、現在ウィキリークスの運営に携わるクレイグ・マリー氏。彼は、今回のリークは民主党本部におけるサンダース氏の扱いに不満を持っていた国防総省傘下の国家安全保障局(NSA)などの情報機関職員によるもの、と指摘する。
英メディアは、次のようなマリー氏の言葉を紹介している。
「この問題について、中央情報局(CIA)は、ロシアによるハッキングではないと分かっていながら、なぜロシアによるものだと言い張るのか分からない」
そもそもCIAは、自分でハッキングを行っても、他国の政府などがやったように見せかける技術を持つと言われる。
他にも、民主党本部の男性スタッフがリークしたという情報もあるが、男性は不審な死を遂げており、真相は謎のままだ。
疑惑2 閣僚たちがロシアと共謀した
疑惑3 FBI長官を解任し、司法妨害した
インタビュー / ロシア疑惑は世紀の大嘘 藤井厳喜氏
インタビュー / トランプは官僚の入れ替えをすぐに行うべきだ ピート・フークストラ氏
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