2012年に向けて焦る北朝鮮
2011.02.07
6 日付け各紙報道によると、北朝鮮が1月15日に「国家経済開発10カ年戦略計画」を公表した。
2012 年は故・金日成主席の生誕100年を迎える節目の年で、「12年に強盛大国の大門を開く基礎が固まる」とし、「20年には先進国の水準に達する確固とした展望が開かれた」とする。同日の計画では、農業の開発や産業団地の建設、空港や港湾・高速道路のインフラ整備などに加えて、外国企業には法人税の減税、当局による事業保障などの支援も想定しているという。つまり、外国の資本を呼び込んで北朝鮮を発展させようというものだ。しかし、依然として中国以外に目に見える形の投資はないという。
戦略計画は、金正恩氏への世襲を進める中での20 年ぶりの長期経済計画となるが、実現性はかなり低いと思われる。情報統制が効かなくなり国民が暴発するか、経済復興できるか、どちらの可能性が高いかと言えば、前者ではないだろうか。
積極的な「外資誘致策」を本気で成功させたいのであれば、まず北朝鮮自身が変わらなければいけない。他の国民を拉致したり、好き放題にミサイルや核の実験をしたり、哨戒艦を沈没させたりしておいて、「わが国に投資して下さい」ではあまりに勝手すぎる。さらには、自国民約 2300万人の多くが飢餓に苦しんでいる。
やはり、経済にも「倫理」が必要だ。自国民や他国を苦しめている国に、もろ手を上げて投資する人は少ないだろう。これは中国などにも言えることだが、やはり投資した結果、どんな社会や世界を創りたいのか、その理想こそが問われるべきではないだろうか。 (格&吉)
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