景気回復すれば、消費税1%分の税収が毎年増える

2016.06.29

自民党も民進党も、消費税をいずれ10%に上げることを前提に、政策論争を行っています。それに対して幸福実現党は「消費税を5%に戻すことで、景気回復を目指す」と主張しています。消費税を下げることなど、本当に可能でしょうか。

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――増税しなくても、税収が増えるなんて信じられない。ちゃんとした数字の裏付けがなければ、空理空論に聞こえるよ。

数字ベースで考えてみましょう。

実は、 2010年以降レベルの経済成長を続ければ、消費税を毎年1%ずつ上げ続けるのと同じくらいの税収が増えます。

例えば、2010年から2012年の間では、年平均で2.5兆円もの税収が上振れました。

そして、アベノミクスが本格的に始まってから、2015年度にかけては、消費税分を差し引いても、税収は年平均で約2兆円も増えていたのです。

2兆円――。これは、消費税1%分に相当する額です。

そして、 もし2014年に増税していなければ、もっと税収が増えていたとすら指摘する専門家もいます。その額は、消費税2~3%分にも相当したかもしれません。

逆に今後、消費税の影響で景気が冷え込めば、消費税1~2%分くらい、簡単に減ってしまうかもしれません。

しかし、財務省などの増税論者は、経済成長で増える税収を故意に低く見積もっています。2010年度から2014年度にかけて、国の税収は常に、財務省の予測を上回り続けているのです。それは、増税を正当化するため。「増税なき財政再建」ができるとは、意地でも認めたくないのでしょうね。

――綺麗ごとに聞こえるなぁ。本当にそうだと言い切れるの? たまたまじゃないの?

経済成長で、これほど税収が大きく増えたのには理由があります。それは、 それまで税金を払っていなかった赤字企業が、税金を払えるようになった からです。

2009年度の赤字企業は72.8%ありましたが、2015年度には66.4%にまで減少しました。赤字企業が減った結果、法人税と所得税の税収が底上げされたのです。

これでも赤字企業の数は、かつては4割や5割しかなかった時代もありました。もっと赤字企業を減らせば、税金を払える企業が増え、税収が跳ね上がるのです。

しかも、赤字企業を減らせば、社員の給料が増え、労働環境が悪いブラック企業も減る。経済成長を優先した方が、働きやすくなるというメリットもあるのです。

――では、財政再建はどうするんだ? 日本には、1000兆円以上の財政赤字があるんだぞ。増税しなきゃ、借金は返せないだろ。

「増税しないと財政再建できない」というのなら、まさにその"お手本"とも言うべきギリシャの状況を見ればいいですよ。

ギリシャでは、2009年の失業率は9%でしたが、財政再建のために、増税や緊縮財政などを行った結果、15年の失業率は、25%にまで悪化。一人当たりの名目GDPも24%減ったんです。

財政再建を優先したあまり、国内の経済がめちゃくちゃになり、失業者であふれかえっている。ギリシャを見れば、増税と経済成長が両立しないことを意味しています。

――それは知らなかったけど、でも、格差をなくすには、増税が要るでしょ。

お言葉を返すようですが、社会保障のためであれば、低所得者の家計に最もダメージを与える消費増税を肯定する方がおかしいんじゃないですか。

増税で痛めつけた貧困層に、お金を分配するのなら、最初から苦しめなければいいじゃないですか。低所得者の生活を楽にするのなら、減税が一番ですよ。

減税による景気回復で、自分で医療費や介護料などを払える人が増えれば、社会全体の負担も軽くなる。負担が軽くなった分の財源を、他の必要なところに投資できる。

こうした政策こそ、あらゆる人々にとって優しい政策じゃないでしょうか。まさに、「全員幸福の実現」ですよ。

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