東京・品川駅前で第一声を上げた、釈党首(右)とトクマ氏。

参院選の公示日を迎えた22日、各党の党首・候補者が街頭に立ち、それぞれの主張を訴え、18日間の選挙戦がスタートした。

幸福実現党の釈量子党首は、JR品川駅前で第一声を上げた。同党は今回の選挙に、比例代表2人、選挙区45人の計47人の候補者を擁立した。

時折、小雨が落ちる中、駅前には多くの聴衆が詰めかけ、歩道橋から耳を傾ける人の姿も見られた。

沿道に詰めかけた聴衆。

経済、国防、教育の3つの政策の柱

冒頭、釈党首は、選挙戦を戦う意義についてこう訴えた。「日本には国民を幸福にする政党・政治家がいない。新しい選択を提示するために立ち上がった」。

続けて、釈党首は「政治でないとどうしても乗り越えられない壁」があると語り、経済・国防・教育の3つの政策の柱を掲げた。

(1)消費税率を5%に下げ、減税からの景気回復を

経済について、釈党首は、「税金や社会保障などを合わせた給与明細の国民負担率は、43.4%。江戸時代の五公五民(ごこうごみん)に近づいている。消費税をまず8%から5%に減税し、減税からの景気回復を目指す」と、減税の必要性を訴えた。

確かに、日本のGDPの約6割を占めるのは個人消費。経済が活性化する鍵は、どれだけ国民がお金を使いやすい環境をつくれるか否かにかかっている。

安倍晋三首相は、消費税率10%への引き上げを2019年春まで再延期することを決めたが、いずれ増税するのであれば、国民は財布のひもを固く締めたままになるだろう。減税によって、国民の将来への不安を減らし、自由にお金を使ってもらうことで、経済は活性化し、個人の所得も上がっていく。

新宿駅前で演説する、比例から出馬した七海ひろこ氏。

(2)家族や国を守る、大和魂を取り戻す

国防について、釈党首は、「北朝鮮はミサイルや核の実験を繰り返し、中国の軍事的脅威は沖縄だけではなく、九州にも迫っている。アメリカとの連携強化や憲法9条の改正、自衛隊の装備拡充、予算の倍増をしつつ、核装備の検討も必要だと考えている。家族や国を守るという大和魂を取り戻す」と、自主防衛力を強化させる必要性を訴えた。

財政の苦しいアメリカは内向きになっており、軍事費を削減している。次の大統領に、共和党のトランプ氏がなろうとも、民主党のクリントン氏がなろうとも、米軍が東アジアから退く流れは変わらない。

22日午前には、北朝鮮が弾道ミサイル「ムスダン」を2発、発射。1発目は発射後まもなく空中で爆発したが、2発目は約400キロ飛行した後、日本海に着水したと見られている。中谷元防衛相は、日本に届く可能性があるとの見方を示した。

こうした状況の中で、抑止力としての「核装備の検討」を掲げる幸福実現党は、国民の生命や安全を守ることを鮮明にしている。批判を恐れて耳心地のいい国防政策しか語らない他党に比べ、極めて誠実な態度と言えるだろう。

新宿駅前で聴衆の声援に応える、釈党首(中央)、七海氏(左)、トクマ氏(右)。

(3)自虐史観を払拭し、日本の誇りを取り戻す

教育について、釈党首は、「先の大戦は侵略ではなく、先人たちが身を投げ出して戦った自衛のための戦争だった。日本は、欧米の植民地支配からアジアの国々を解放するために戦った」と語り、日本の誇りを取り戻したいと訴えた。

また、釈党首は、ユネスコ記憶遺産の問題にも言及。

昨年10月に、中国がねつ造した、「南京大虐殺文書」が登録されてしまったが、同党を含めた幸福の科学グループでは、8回にわたって、パリのユネスコ本部を訪れ、南京文書がねつ造された作り物であることや、大虐殺そのものが歴史上存在しないという事実を訴え、中国の申請を却下するよう、ユネスコに文書や口頭で申し入れてきた。

ユネスコから「中国の南京文書は正しいものである」と通知

ところが、演説で、釈党首が明かしたところによると、今月20日、ユネスコ記憶遺産事務局から、同グループ宛てに通知が届き、「中国の南京文書は正しいものであり、改善する必要はない」という内容が記されていたという。

この点について、釈党首は、こう憤った。

「こういう状態を招いたのは、指をくわえて何もしなかった安倍政権の責任。昨年は、安倍談話や(慰安婦に関する)日韓合意で、お金、血税をつぎ込み、歴史問題を終わらせようとしたが、またユネスコ記憶遺産に、慰安婦問題を提起されてしまった。このままでは来年、慰安婦問題が記憶遺産に登録されてしまう。もう安倍自民党は保守でも何でもない。日本の誇りを取り戻すことは、私たち、幸福実現党にしかできない!」

最後に、釈党首は、「夢を実現するために努力する人たちをたくさん輩出し、世界のリーダーとして日本はまだまだ輝ける。その可能性をかけて選挙を戦っていく」と話して、演説を締めくくった。

【関連書籍】

幸福の科学出版 『世界を導く日本の正義』 大川隆法著

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