科学者の90%が科学の「再現性」に危機感 最先端はそもそも再現できない
2016.06.14
科学誌Natureがこのほど、科学の再現性に関する興味深いアンケートを行った。
対象は1576人の科学者で、物理学、化学、生物学など多分野にわたっている。
アンケート項目は「再現性について危機を感じるか」「再現性に対して何が障害になるか」など。その結果によると、70%以上の科学者が他の科学者の実験を再現できず、50%以上の科学者が自分自身の実験を再現できていない。特に、化学と生物学における再現失敗の割合が高い。
「再現性について危機を感じるか」という質問について、52%は「かなり危機に瀕している」、38%は「少し危機に瀕している」と回答した。ほとんどの研究者が再現性について何かしらの危機感を持っているようだ。
「再現性を確認する上で何が障害になるか」については、60%以上の回答者が「出版に対するプレッシャー」を「常に、もしくは、しばしば障害になっている」と回答した。興味深いことに、技術的な難しさが障害になると回答した研究者は少なかった。
再現性へのこだわりが未来科学の芽をつぶす
今回の調査結果は、科学とはいかにあるべきか考えさせるものと言える。再現性ももちろん重要だが、そればかりにこだわって、未来を切り拓く科学の芽をつぶしてしまっては非常に残念だ。
特に、STAP細胞の研究結果を発表した小保方晴子氏への批判は異常だ。
小保方氏は「STAP細胞の論文に再現性がない」などの理由から、日本の科学界やマスコミなどから"プレッシャー"をかけられ続け、STAP研究は抹殺された。
しかし今年3月、独ハイデルベルグ大学の研究チームは、「がん細胞に酸性の刺激を与えたところ多能性細胞になった」という、STAP現象を下地とする論文を発表している。小保方氏のSTAP研究の価値が見直される結果となった。
ビッグバン理論も仮説にすぎない
さかのぼれば、宇宙は大爆発から誕生したという「ビッグバン理論」にも同じことが言える。
ビッグバンの瞬間を写真におさめたり、実験室でビッグバンの再現に成功した人はいない。ある種の電磁波の存在から、ビッグバン理論が一番合理的に宇宙のはじまりを説明できるという、科学者たちの「仮説」にすぎない。
現状の科学で、再現できず、証明できないものが、存在しないわけではない。最先端分野の研究ほど、再現性や反証可能性が意味をなさないことは多い。今回の調査結果から、「未知なる世界を切り拓く」という科学の使命について、もう一度考えたい。
(冨野勝寛)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『小保方晴子さん守護霊インタビュー それでも「STAP細胞」は存在する』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1144
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