ほんまもんの政治家になるため議員秘書の道を蹴った - 感じる政治学 - 数森けいご
2016.04.29
2016年6月号記事
感じる政治学
ほんまもんの政治家になるため
議員秘書の道を蹴った
「なぜ人は政治家を目指すのか」。
そこに、「政治とは何か」を考えるヒントがある。
幸福実現党
大阪府本部 副代表
数森 けいご
プロフィール
(かずもり・けいご)1979年9月24日、大阪府大阪狭山市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後、JFE商事(株)を経て、HS政経塾第4期生。塾では、主に中小企業の事業承継税制について研究する。
アベノミクス景気とやらは、結局、テレビの向こうの話だった。
「多くの国民に恩恵がないのは、政治家が国民の生活をその目で見てないからではないでしょうか」
そう語るのは、大阪府で政治活動をする数森圭吾氏(36歳)。
彼は17歳のころから政治家を目指していたが、国民の生活を広く知るために、一度見えかけた政治家への道を蹴っている。
必死に掴んだ政治家への道
大阪府大阪狭山市に生まれ、やんちゃ学生として青春を過ごした彼は、高校2年の時、将来の夢を政治家に決めた。
それ以前には陶芸家になりたいという夢もあったが、「本当に社会の役に立つ仕事は何だろう」と自らに問いかけたとき、心に浮かんできたのは政治家だった。
「政治は、人の幸不幸を分ける、一番大事な仕事なんじゃないか」
夢に向かって、大学進学を決意し、政治家を最も多く輩出している早稲田大学を目指した。とはいうものの、進学校に通っていたわけではない。現役では玉砕した。
しかし、そんなことでは、彼はあきらめない。一人で生活を切り盛りする覚悟で上京。一時、交友関係を断ち勉強に専念した。
無事、早稲田に合格。地元の友人たちに天王寺の歩道橋の上で胴上げされたときの恐怖感と感動は、今も忘れない。
大学に入ってからは、国際関係や経済などの勉強にも精を出した。
同時に、政治家になるための、あらゆるルートを探った。ある時は政治家の事務所に押しかけた。ある時は知り合いのコネをつたい、議員にコンタクトした。何人もの政治家と話す機会に恵まれ、後に首相になる議員の秘書見習いにならないか、という誘いも受けた。 ようやく見えてきた、政治家の"登竜門"だった。
「政治屋」にはなりたくない
しかし、彼は結局、その誘いを断った。
政界に関わる人と会うにつれ、『本当に人を幸せにできる政治とは何か』を考えるようになっていた。それを知るには、もっと世の中のことを知る必要がある。
「このまま政界に入っても、国民の役には立てない。ただの『政治屋』になってしまうのではないかと思いました」
彼は企業に入って社会勉強に徹することを決めた。
「世の中は、ヒト・モノ・カネ・情報で動いている。それが一番学べる業界は商社じゃないか」
日本の経済を支える鉄鋼業界でトップクラスのシェアを持つ商社に就職した。自動車メーカーを主な相手とする営業を担当した。9年間、必死に働いた。実体経済の仕組みや感覚をつかんでいった。
しかし彼が一番の宝だと誇るのは、情熱的に仕事をする素晴らしき人たちとの出会いだった。
多くの中小企業ともお付き合いした。そこで働く人たちは皆、苦しい景気の中で、毎日必死になって前に進もうとしている。そんな姿に、胸を打たれた。
「必死に働く人たちのお役に立ちたい」
政治の世界を目指す情熱が再び湧き上がってきた。彼は会社を辞め、HS政経塾(注)に入った。社会経験を元に、政治経済を学びなおした。
特に力を入れて勉強したのが、中小企業に関する税制だ。後継者に事業を引き継ぐ際の相続税が高すぎて、会社の活力を削いでいる。そんな状況を変えたい。
その後、大阪府内での政治活動に邁進する。できるだけ多くの人に会い、今の政治への不満を聞く。
「スーパーで買い物してても消費税8%は外税やろ? レジに行ってびっくり。後からすごいショックやねん。買い物する気も失せるわ」
「税金で材料費が上がってな。でもうちらは下請けやから、大手に部品を売るときの支払いも、消費税分減らされるんや。おかげで利益半分になってもうたわ」
人々の生の声を聞いていれば、増税が生活を苦しめ、経済全体を停滞させることは明白だったはず。
歩けば歩くほど、永田町や霞が関が、国民の幸せを考えているのか、疑問に思えてくる。
もし学生の時、そのまま政治の世界に足を踏み入れていれば、リアルな国民生活や、働く人たちの苦労を知ることはできなかったかもしれない。
出会ってきた人々は、今日も必死に生きている。だから彼も、真に国民の役に立つべく、今日も大阪を走り回る。
(注)幸福の科学・大川隆法総裁が創立した「政界・財界で活躍するエリート養成のための社会人教育機関」。
中小企業の経営者などと膝を突き合わせ、景況や困りごとなどを聞く数森氏。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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