多くの企業が「仕事始め」を迎えた5日、すでに今年1年の目標を掲げ、スタートダッシュを切っている人も多いだろう。

だが仕事始めにあたって、私たち一人ひとりの願いというものが、果たして正しい方向性のものであるか否かという点検も必要かもしれない。初詣の際に、神社仏閣で手を合わせた時、自分だけのご利益のみを願っていなかったか……。

振り返れば、2014年は日本列島をさまざまな天変地異・異常気象が襲った。2月には、2週連続で関東地方を中心に大雪が降り、東京都心では45年ぶりに積雪が27センチにも及び、交通機関がマヒした。

夏には、大雨などの水害が多発。九州には、7月としては「過去最強クラス」と呼ばれた台風8号が上陸。四国にも記録的な大雨が続き、50万を超える人々に避難指示・勧告が出された。その後も、京都や北海道などで豪雨や土砂崩れが発生。8月下旬には、広島市で豪雨による土砂災害で、74人の命が奪われた。

9月にも、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山が噴火。噴石などで亡くなった人は57人となり、噴火災害での死者数は戦後最悪となった。

11月には、長野県北部でマグニチュード6.8の強い地震が起き、民家がつぶれたり、国道で土砂崩れが起きた。同月下旬には、熊本県・阿蘇山が噴火。12月にも、四国を中心に西日本各地で大雪が降り、交通や電話などのインフラが遮断され、1000人以上が孤立するという事態が起こるなどした。これらの災害は、北海道から九州まで日本全国で起きており、もう「逃げる所はない」状態にも見える。

仏教では、同じ時代に生まれ、生活している人々の思い(想念)の集積によって、天変地異や人災などが起きると言われている。この集団の責任で起きるものを「共業(ぐうごう)」と呼ぶ。一方、個人の責任で起きる良いことや悪いことを「不共業(ふぐうごう)」と呼ぶ。

この前提に立った時、同時代に生きる人々の責任で起きる「共業」について考え、私たち一人ひとりは、思いを改めなければいけないだろう。

頻発する天変地異を「自然現象だから仕方がない」とあきらめるか。それとも、ユダヤ教やキリスト教のように「神は、人間が自然を支配することを許している」という人間中心主義を突き進み、科学技術を進歩させ、自然をコントロールする道に活路を求めるか。

だが、私たちが歩むべき道は、そのどちらでもないはずだ。その答えを導くには、「自然と人間のどちらが大事か」と考えるのでなく、「そもそも自然や人間という存在をつくったのは誰なのか。それをつくった存在が今、人類に何を求めているか」ということに思いを馳せるべきだろう。(格)

【参考書籍】

幸福の科学出版 『阿蘇山噴火リーディング 天変地異の霊的真相に迫る』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1368

幸福の科学出版 『悟りの極致とは何か』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=188

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