2014年4月号記事
The Liberty Opinion 3
橋下大阪市長の劇場型政治の終わり
地方が国政を振り回すのは亡国の妄想
大阪市の橋下徹市長が表明した出直し市長選が3月9日、告示される。 橋下氏が突如の辞職に踏み切った理由は、実現を目指す「大阪都構想」の制度設計を話し合う法定協議会が思い通りに進まなくなったからだ。
橋下氏は、出直し選挙で当選すれば、その民意を正当性の根拠に、協議会のメンバーを大阪都構想の賛同者で固めるという。
この手法は、2005年夏、「郵政民営化に賛成か、反対か」と言って解散総選挙に打って出た小泉純一郎元首相を彷彿させる。論点を1つに絞るシングルイシュー戦略はマスコミ受けもよく、「劇場型政治」と話題になった。
橋下氏もこれを真似てか、著書で「僕は、仕組みを変えるときは、一点突破の全面展開を考えます」(注1)と述べ、今回、それを市長選で行おうとしている。
(注1) 『体制維新―大阪都』(橋下徹/堺屋太一 著)