21日投開票の参院選挙は、大方の予想通り、自民党の勝利で終わった。自公合わせて過半数に必要な63議席を大きく上回る議席以上を確保、衆参のねじれは解消されることになった。民主党は44の改選議席を半分以上失う惨敗。幸福実現党は議席獲得に至らなかった。
今回の参院選は、憲法改正、アベノミクスの是非、消費税増税、原発再稼働など、重要な争点がいくつかあった。しかし、投票率が低調だったことに象徴されるように、政策論争は最後まで盛り上がらなかった。9条改正をにらんだ憲法改正を打ち出していた自民党が、選挙が近づくにつれて論点をぼかしはじめたため、争点が分かりにくくなったようだ。
アベノミクスの是非についても、従来、金融政策は争点になりにくい上、消費税の増税は社会保障制度そのものの問題と深く関わっており、議論が深入りすることを避けたい各党の思惑も手伝って、政策論争が不発に終わった感がある。
それにしても、今年2月に3回目の核実験を行ったことで、北朝鮮が事実上の核武装国になりつつあるという、重要な国際情勢の変化があったにもかかわらず、憲法9条や集団的自衛権、国防の問題について、国政選挙の場で争点にならかったのは大きな問題だ。それは、ネット選挙を解禁したにもかかわらず、投票率が52%前後(NHK推計)と、5ポイント以上も低下したところに表れている。
国防強化を真正面から訴えたのは、例によって幸福実現党のみという状況だったが、議論を避け、村山談話の修正さえできない安倍政権が、現実の国難にどこまで対処できるか。選挙で大勝したとはいえ、その政権運営は心もとないものになりそうだ。(村)
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