夏の参院選の前哨戦となる参院山口補選は28日に投開票日を迎える。最終日の27日、各候補は最後の訴えを行った。
この選挙では、自民党公認の江島潔氏は「産業と経済の再生」を訴える。共産党公認の藤井直子氏は、岩国基地の拡大強化反対やTPP参加反対、大企業減税反対などを主張。幸福実現党公認の河井美和子氏は、消費税増税ストップや国防強化を訴える。無所属で民主・みどりの風推薦の平岡秀夫氏は、上関原発建設反対や憲法改正阻止を掲げている。
アベノミクスの実績をアピールする自民党の江島氏が優勢だと各メディアは伝えているが、アベノミクスには「消費税」「原発」という不安要素がある。消費税増税が実行されれば、家計の支出が増え、企業の負担も増えてしまう。また、自民党は原発新設や再稼働の是非については言及していないが、原発停止によって電気料金が値上がりし、家庭や企業の負担が増えている。こうしたことが、景気回復の足かせとなってしまう。
アベノミクスの効果を最大にするためには、「消費税増税中止」「原発推進」が必要だ。これを主張するのは、幸福実現党公認の河井美和子氏、ただ一人である。
河井氏は、2009年の幸福実現党の立党時に衆院選に立候補し、それ以降、政治活動を続けてきた。今回の参院補選では、「愛しているから、守りたい」とのメッセージを掲げて立候補。フィナンシャルプランナーの資格を持つ河井氏は、主婦の目線から消費税増税の中止を訴えてきた。選挙対策本部長の吉田昌文氏は、「政見放送の反響が大きく、『真の保守候補』を待望する受け皿として、支持が想像以上に広がっている」(28日付山口新聞)と手ごたえを語る。
河井氏は2012年には、米軍岩国基地へのオスプレイ配備への反対意見が多い中で、「安全保障上、オスプレイは必要である」と主張。デモや街頭演説、チラシの配布を続けた。結果、今年3月の岩国市議会では、オスプレイの低空飛行訓練に反対する意見書が反対多数で否決されている。
自民は憲法9条改正に向けて、夏の参議院選挙で「憲法96条の改正」を公約とすることを決めたが、連立を組む公明党は賛同していない。北朝鮮情勢が緊迫化するなか、このままの体制で、有事の際に日本が国を守りきれるのかどうか大いに懸念が残る。
国民の生活・安全を守るための正論を貫き通す議員こそ、今の国会に必要だ。目の前の利益で人気を取るだけでなく、国益を守ることができる候補が、国会議員として選ばれることを期待したい。(晴)
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参院山口補選告示「消費税増税、憲法改正、原発再稼働」が争点