尖閣諸島周辺の日本領海内で今月23日に中国の海洋監視船8隻が侵入したが、同日に中国軍機も40機以上飛来し威嚇飛行を行っていたことを、27日付産経新聞などが報じた。また26日、中国外務省の華春瑩副報道局長は「釣魚島(尖閣)問題は中国の領土主権の問題であり、当然中国の核心的利益に属する」と、公式には初めて尖閣諸島を「核心的利益」と位置付ける発言をした。
「核心的利益」とは、中国が使う用語で、一切妥協の余地のない国益であり、武力行使も辞さないという意味が込められている。中国側はこれまで台湾、チベット、新疆ウイグル自治区を「核心的利益」としていたが、尖閣諸島に関して中国共産党政府関係者が公の場で「核心的利益」と認めたのは初めてだ。
一方の日本側は、25日に防衛省の徳地秀士防衛政策局長が、尖閣諸島の周辺海域での突発的事態を防ぐため、日中防衛局長級協議に向け、中国・北京を訪問した。太田昭宏国土交通相も来週、訪中を計画しているという。
これら中国側の侵略的威嚇に対して、毅然とした態度を貫いているのが幸福実現党だ。
同党は27日、「尖閣周辺への中国の侵入行為を受けて」と題する声明を発表し、マスコミ各社にリリースした。その要旨は以下の通り。
- (一連の中国の行動は)尖閣奪取の姿勢を強める中国が、ついに武力行使も辞さない姿勢を鮮明にしたものと見なさざるを得ない。
- 中国政府は2012年版国防白書で「核兵器の先制不使用」の項目を削除した。これは尖閣紛争を見据えた上で、日本への核攻撃も匂わす威嚇とみられる。
- わが党は2009年5月の立党以来、一貫して国防上の国難到来を訴えてきた。(現今の情勢で)われわれの主張が正鵠を射ていることは、火を見るより明らかである。
- 日本への核ミサイル攻撃という最悪の事態も踏まえ、巡航ミサイルなどの敵基地攻撃能力の保有を進めるとともに、日本独自の核抑止力構築も検討すべきだ。
- 「今、そこにある危機」に対応すべく、憲法解釈を変更し、憲法前文で謳う「平和を愛する諸国民」とは言えない中国、北朝鮮に対しては、憲法9条を適用しないことを鮮明にし、有事への備えを抜本的に強化するよう提言する。
安倍晋三首相も高支持率のバックアップを受けて、最近は「憲法96条改正」を次期参院選の公約に掲げることを鮮明にしているが、いかんせん、手続きが間に合わない。幸福実現党が主張するように「憲法9条適用除外」を中国、北朝鮮に対して宣言することで、大きな抑止効果となる。中国側が「核心的利益」と言うならば、こちらは「日本領海・領空を侵犯するなら撃沈・撃墜する」という強い姿勢を見せるべきだ。
幸福実現党が正論を貫いていることは、中国・北朝鮮に対する強い抑止効果となっている。安倍首相には、怯むことなく日本を守り抜く決断を期待したい。(仁)
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