日本では扱われ方が大きくないが、全世界12億人のカトリックの長であるローマ法王の交代は、欧米を中心とするキリスト教圏では歴史的ニュースだ。2月28日に退位したベネディクト16世や後継者候補に関する報道を、欧米メディアから二例、紹介する。
米誌TIME2月25日号より
- ベネディクト16世は、世界中の人々が馴染んできたローマ法王像――法王は死ぬまでその職務を務めることなど――を終わらせた法王かもしれない。そして、10億人以上の生ける魂からなる霊的帝国(a spiritual empire) を、劇的な新方法で治める最初の人物となるかもしれない。
- というのは、彼は退位後も、存命の元法王という異例の存在として、前例のない影響力を奮うだろうから。この種の非公式な影響力が強大なものとなりうることは、他の文明圏に例がある。特に近代以前の日本で、退位した将軍や天皇が引き続き重要な決定を下すことがあった。
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