来春開学予定の3大学の新設を認めないと発言し、その後、撤回・謝罪した田中真紀子・文部科学大臣が、今度は朝鮮学校の高校授業料無償化の実現に意欲を見せているという。11日付読売新聞が報じた。
記事によると、田中氏は文科相に就任して以来、周囲に「閣僚として二つやりたいことがある」と繰り返してきた。その一つが「3大学の不認可」であり、もう一つが「朝鮮学校の無償化」というのが、文科省幹部の共通認識なのだという。
日本の高校にあたる「朝鮮高級学校」は日本全国に10校あり、無償化が実現すれば、計約2億円の就学支援金が支給される。もちろん、同校は、北朝鮮の指導下にある在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と結びつきが強い。
今夏には、同校の生徒約60人が、北朝鮮で開かれた金正恩・第一書記に忠誠を示す行事に動員され、平壌を訪問したり、朝鮮総連から学校ごとに忠誠を誓う文書を本国に送るよう指示されていたことなどが明らかになっている(10月1日付産経新聞)。
日本に住む北朝鮮の人々をいたずらに敵視することは避けたいが、北朝鮮が繰り返し日本に向けてミサイルを飛ばしたり核実験を行っている事実はおさえておくべきだ。日本の安全を脅かし、日本人を拉致する国の学校に、わざわざ日本人の税金を支援する必要がどこにあるのか。
日本の大学を潰そうとした一方で、北朝鮮の高校に金を渡そうとする田中氏は、どこの国の政治家なのか。民間の活動を一元管理しようとする国家社会主義的な側面を見せる田中氏からすれば、民主主義国よりも独裁国家の方に心が引き寄せられるのかもしれない。
いずれにしても、田中氏は日本の教育のトップに立つべき人ではないことは明らか。その人物を文科相に起用した野田首相の任命責任も問われるべきである。(格)
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