韓国メディアの論調が、「日本叩き」一辺倒から「対中国警戒感」にシフトしつつある。中韓国境の島をめぐって中国の領土的野心が露わになってきたことに対し、「尖閣と同じようになるのでは」と警戒感が強まったためだ。2日付毎日新聞などが報じている。
8月に竹島と尖閣で日韓、日中が激しく対立したことに対して、韓国メディアは当初、「日本は韓国には高飛車なのに、中国には低姿勢だ」と不満を示していた。だが、9月半ばに中国から対日経済制裁という言葉まで出てくると、韓国の主要紙である朝鮮日報は「中国が『覇権を目指す意思』を隠さなくなった」と警戒感を表し始めた。
さらに警戒感が強まったのは、9月23日、中国国家海洋局が、「自国の管轄海域」として、尖閣諸島、西沙諸島、中沙諸島、南沙諸島などと並んで、中韓国境に位置する離於島(中国名:蘇岩礁)の名前を挙げたためだ。中国側は「これらの管轄海域を全面的、立体的かつ精密に掌握、管理する」方針を打ち出し、無人航空機による監視対象にすると主張した。
この中国の動きに対し、朝鮮日報は、「離於島は、明らかに韓国のEEZ(排他的経済水域)に属する。中国はEEZの基準点を有人の島とする国際法上の慣例を無視し、離於島に近い無人島を基準にすべきと主張している」「今回、中国が離於島を無人機による監視対象に含めたのも、将来的にEEZ交渉で有利な立場に立つための下準備」など、警戒感を露わにした。
また韓国政府筋の「尖閣諸島で日本を屈服させた中国が離於島にも目を向け、徐々に領有権を確保する戦略に出たのではないか」という声も載せている。
竹島に李明博・韓国大統領が上陸するというパフォーマンスや天皇謝罪発言などで、韓国政府が無法な要求を突きつけてくる背景には、中国寄りにシフトしようとする韓国政府の思惑があった。だが、大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は9月30日の法話「未来への責任」の中で、次のように述べている。
「韓国はいま、中国と組んだほうが日本と戦いやすいと思っているのは分かるが、その方向に行くと、国が亡くなるということを申し上げたい。中国と組んで日本を非難していると、これは中国が北朝鮮を応援して、北朝鮮が韓国を併合するシナリオになるけれども、本当に竹島問題でそこまでされていいんですか、と申し上げたい」
李大統領は、米国や日本が「弱腰」と見て、中国と組んだ方が経済的にも良いと考えて中国に接近し、日本と対立を深めた。しかし中国と北朝鮮は一枚岩であり、韓国が北朝鮮に「併合」されれば、すなわち中国の属国となる。そのような「未来のシナリオ」を選べば、北朝鮮や中国国内に見る「粛清」の嵐で、知識人や富裕層が百万単位で殺されるのは目に見えている。これは実は、日本よりも韓国のほうが地理的にも危険度が高いのだ。
韓国は「従軍慰安婦」問題等で日本を責め続けているが、同じ自由主義陣営の日本を責めるのはもうやめて、きちんと日米韓の三国同盟を組んで、北朝鮮・中国に対峙すべきだ。ようやく韓国側に中国に対する警戒感が出てきたことで、韓国政府が「生き筋」を見つけることを切に願いたい。(仁)
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