国土交通省は6日、老朽化が進む首都高速道路の再生を議論する有識者会議の第五回会合を開き、首都高の都心部ルートを将来的に撤去し、地下トンネルに再整備する案でほぼ一致した。7日付読売新聞が報じた。

首都高の総延長301キロのうち8割が高架橋であり、全体の約3割が開通40年以上経っている。今回の会合では、都心環状線などを撤去して新ルートも含めて再整備する「撤去・再構築案」、現在と同じルートで作り直す「単純更新案」、都心部ルートを撤去する「単純撤去案」が出され、「撤去・再構築案」が有力だった。着工は2022年ごろの予定だが、撤去費約5500億円、地下化などの再整備費約3兆8000億円の建設費の捻出が最大の課題だという。

実は本誌はすでに12年前(2000年4月号)、「首都高の地下化」案を提言していた。「トランスポーテーション(輸送)革命」として、「都市部高速道路の渋滞区間を2階建てにし、上の道路は上り、下は下りの一方通行にするとか、地下高速トンネル道路(事故を避けるため一方通行とする)を掘る」「高速道路にモノレールを併設したり、ラッシュ時に2階建て電車を走らせたり」と。交通インフラの拡充により、より早く、遠くまで、人やモノを運べるようになれば、経済は間違いなく活性化する。

幸福実現党は、リニア新幹線や道路整備などの交通インフラに10年間で100兆円規模の投資をする政策を掲げており、その財源としては官民共同のファンドや、国家未来事業債(社債)の発行で国内外から資金を集めることなどを提唱している。使用目的を明確にしたファンドで資金を集めれば、現状の延長線上の財源論に縛られず、自由にインフラの未来を論じることができる。トランスポーテーション革命が国を富ませるという積極的な発想と、そのための大胆な投資が今こそ必要だ。(居)

【関連記事】

2011年12月号記事 アメリカにならい日本も都市インフラの拡大を "Newsダイジェスト"

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3144

2009年8月号記事 ニッポン繁栄 8つの提言【4】リニアと宇宙旅客機で世界を結び交通革命を起こせ!

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=645