物理の実験は大体こんなもの、というのが正直な感想だ。昨年9月に国際研究チーム「OPERA」が発表した、ニュートリノが光速を超えたとの実験結果が、単に光ケーブルの接続ミスだったという件である。それを報道する6月9日付各紙は、一部に「超光速」議論そのものの終結と読める表現があったが、適切ではない。

記者は大学で実験物理を専攻したので、今回の測定ミスという結果に予感はあった。卒業研究などで使っていた実験装置の同軸ケーブル(銅線を使った電気コード)を同メーカーの同製品に取り替えるだけで、異なる実験結果が出ることがあったからだ。ケーブル内の細かな断線が原因と推測されるが、そういった細かなズレが積み重なり、思いもつかない結果が出たように見えたことが多々あった。一つのテーマで条件を少しずつ変えながら「なぜ良い結果が出ないのか」を探す実験を3年間、数十回続けたが、すべての解明には到らなかった。それでも、一つでも良い結果が出れば、その条件を中心に実験を重ね、成功できたかもしれないと思っている。

大川隆法・幸福の科学総裁は著書『不滅の法』で、科学にとって未知の事象についてこう述べている。

「『恐竜は、古代にのみ生息し、約六千五百万年前に死滅した』という仮説は、たとえ一頭でも恐竜を見つけることができた時点で、完全に覆り、崩れてしまいます」

「同じような例で言えば、『宇宙人はいない』と言い張る人もいますが、ほんの一例でもUFOを確保でき、それが地球でつくられたものでないことを証明できれば、こうした説は覆るのです」

一つの実験結果が否定されたからといって、「超光速」が存在する可能性そのものが否定されたわけではない。今後、その存在を裏づける結果が一つでも出れば、「超光速」は証明されるのだ。OPERAによる実験結果は残念だったが、別の粒子が、あるいはより精度の高い測定器が、「超光速」への道を拓いてくれる可能性を楽しみに待ちたい。(居)

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2011年12月号記事 「光速」を超える速度の発見に現代物理学が衝撃 “Newsダイジェスト

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3140