病院が心臓ペースメーカーなどの医療材料を共同で購入することで、コストを削減する取り組みを始めた。20日付日経新聞が報じた。

個々の病院の価格交渉力が弱いため、日本の医療材料は高すぎるという指摘があり、共同購入に踏み切った。商品によっては欧米の数倍という高値のものもある。アメリカでは複数の病院を会員とする共同購買組織(GPO)があり、医薬品や医療材料の95%がGPOを通した購入だという。

今回の参加病院は60で、特定非営利活動法人の日本医療流通改善研究会が取りまとめ役。購入規模は年間300億円で、数億円規模のコスト削減を期待している。

このほど公表された、全国公私病院連盟と日本病院会の「病院運営実態分析調査」では、2011年6月の1か月分が赤字だった病院が62.3%あり、2010年6月の60.6%に比べやや増えていた。特に、自治体病院は84.6%が赤字だった。本誌2009年8月号でも、2007年の公立病院の72%が赤字であり、それを地方交付税交付金で賄っていることを紹介した。要するに、自治体病院を中心とする公立病院の赤字は国民が負担しているのだ。

大川隆法・幸福の科学総裁は著書で次のように述べている。

「病院全体に、経営的な視点からの改革が必要です。現実には、医学部のなかに『医学部経営学科』のようなものをつくり、効率的な病院経営の手法を教える必要があるのではないでしょうか。どうやら、医師の経営能力に問題があるような気がします。経営の勉強をもう少し入れて、効率的に経営していかなくてはなりません」

医師の多くは過酷な勤務状況で、患者のために献身的に頑張っている。だが、彼らのほとんどが学んだことのない、経営やマネジメントの智慧を導入することで、財政面でも労務面でも運営が改善される部分は多いはずだ。何より、それによって病院経営が立ち直り、地域医療サービスの提供が保たれる。特に、公務員体質の強い公立病院は、ぜひ民間企業などから経営改善の智慧を学んでほしい。(居)

【関連書籍】

幸福の科学出版ホームページ 『幸福実現党宣言』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=113

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2009年8月号記事 ニッポン繁栄 8つの提言【6】公立病院の経営改善

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=647