先週末の4月7日、アニメブームの先駆けとなった「宇宙戦艦ヤマト」のリメイク版の劇場上映が始まった。この日は、奇しくも今から67年前に、戦艦大和が鹿児島県薩摩半島の南西端に位置する坊ノ岬沖で沈んだ日である。
旧作のTV放映は1974年~75年。それをまとめて劇場用の「映画」として77年に公開された際には、ファンが徹夜して映画館の周囲に行列を作り、観客動員数230万、興行収入18億円超という異例の実績を上げて社会現象にまでなった。
リメイク版の監督は、高校時代に旧作に熱中したという出淵裕氏、音楽担当は、旧作で音楽を担当した故・宮川泰氏の実子である宮川彬良氏。その他、製作に携わった数多くのスタッフも若い世代に変わっているが、旧作を愛し、その良さを熟知している人たちだ。
旧作のストーリーや人物設定の矛盾を修正したり、ガミラス星人の攻撃を受けて地球が放射能に汚染されるという設定を、地球が「テラフォーミング(惑星改造)」を受けて、地球人が住めない環境になるという設定に変更されたようだが、地球を復活させる装置をイスカンダル星へ取りに行くという基本的な筋書きはそのまま。旧作の懐かしいカットも数多く再現されている。
旧作をプロデュースした「ヤマト」の生みの親、西崎義展氏は生前に、「TV放映した昭和48~49年当時は(第一次石油ショックによる)不景気の最中だったので、夢や希望をテーマにしたものをつくりたかった」と語っていたという。
現在も、民主党政権の社会主義的な政策や東日本大震災の被害、周辺諸国の情勢など、日本が置かれている状況は、決して明るくはない。アニメに夢を託すのも悪くないが、「実際に宇宙戦艦ヤマトを創ろう!」と提言している人がいる。
明海大学名誉教授の杉山徹宗氏は、ボーイングやエアバスなど世界的な航空機会社の機体の4割が日本の製品でつくられていることや日本の高度なレーザー技術などを挙げ、「日本の最先端技術の粋を集めて、『平和宇宙戦艦・大和』を造るべきだ」と主張する。
宇宙に巨大な戦艦を浮かべ、地球上で弾道ミサイルが発射されたり、核実験を事前に察知したときに、レーザービームで破壊して無力化する「地球防衛軍」だ。戦艦は日本だけでも造れるが、日米が協力すれば10年で10兆円程度の投資で完成するという。
日本がリーダーシップをとり、一大プロジェクトを立ち上げれば、関連産業が発展し、雇用の増加も見込める。経済発展のみならず科学技術も格段に進歩する上、世界平和が実現するのである。〈宮〉
【参考書籍】
幸福の科学出版ホームページ 『ニュー・フロンティア戦略』 杉山徹宗著
http://www.irhpress.co.jp/detail/html/P0238.html
幸福の科学出版ホームページ 『未来はこうなる』 杉山徹宗ほか
http://www.irhpress.co.jp/detail/html/P0234.html
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2010年7月号記事 【民主党政権から日本を守れ】(4) 日本は今こそ「宇宙戦艦大和」の建造を 明海大学名誉教授 杉山徹宗