米大統領選挙の共和党の公認指名争いは、13日のアラバマ、ミシシッピ両州での予備選挙で、サントラム元上院議員が勝利を収めた。南部を基盤とするギングリッチ元下院議長にとってこの敗北は打撃。同候補は選挙戦継続を発表したものの、保守票の一本化を理由に撤退を求める声も高まりそうだ。

共和党基盤の強い南部両州での勝利はサントラム氏への追い風になるが、13日の予備選挙で代理人獲得数を最も伸ばしたのはロムニー前マサチューセッツ州知事。ロムニー氏は南部2州で接戦の3位につける善戦で、同日に予備選挙や党員集会があったハワイ州や米領サモアでも代理人を獲得している。

サントラム氏の勝利がクローズアップされる一方で、ロムニー氏は堅実な代理人獲得で首位をキープしている。本誌は4月号の守護霊インタビューで、ロムニー氏がサントラム氏を副大統領候補に指名するという密約があるとスクープしたが、ギングリッチ氏が土俵際に追い込まれる中で、そのシナリオが着実に現実のものになろうとしている。

「経済に強い」という触れ込みの一方で、ロムニー氏守護霊はウォール街に儲けさせたいという意図を明確にしており、同氏の下で米経済が健全な成長を遂げられるのか疑問が残る。他方で現職のオバマ大統領が2期目に突入すれば、再選の不安がないため、より急進的に社会福祉政策を推し進めて、米社会の自助努力の精神を蝕む恐れがある。

オバマ対ロムニーでは、「アメリカ没落に向かってどちらのシナリオがましか」を選ぶだけの亡国選挙になる。まだ間に合ううちに、米世論が方向転換することを希望する。

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2012年3月8日付本欄 決着つかず長期化へ 米大統領選スーパー・チューズデー

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2012年4月号記事 「強いアメリカ」を復活させるのは誰か ギングリッチ、ロムニー、サントラム守護霊インタビュー

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