アメリカのオバマ大統領は日本時間25日、議会で今年の内政・外交の基本方針を示す一般教書演説を行い、核開発疑惑を抱えるイランとの対立に関して、「アメリカはイランが核兵器を持つことを阻止するために、あらゆる選択肢を排除しない」と述べ、軍事的選択肢もあり得るという考えを強調した。

一方で、北朝鮮に関する言及はなし。オバマ外交としては、イラン問題に対処するか、金正恩氏が権力継承したばかりの北朝鮮問題に取り組むかの二者択一の場面だが、今のところイラン問題を優先させている。

オバマ大統領は、財政赤字削減のために新しい国防戦略を発表し、「アジア重視」を1月に打ち出したばかり。同時に、二つの大規模紛争に対応できる「二正面作戦」を放棄もうたっており、イラン問題優先ということは、北朝鮮問題は後回しということになる。

北朝鮮国内では、金正恩体制を批判するビラが配られるなど不安定さが増しており、2012年は金王朝を崩壊させるチャンスではある。

オバマ大統領の判断か変わるかどうかは、金正恩体制の破綻がどれだけ明らかになるかによるだろう。

また、アメリカの内政についてオバマ大統領は、弱者救済のため所得の再配分を強化する考えを強調。「誰もが公平な配分を受け、公平な配分を行い、誰もが同じルールに従う経済を再生できるか」と問題提起し、年収100万ドル以上の富裕層の税率を少なくとも30%とすることを提案した。

日本の野田政権も年収5000万円以上の富裕層に45%の所得税をかけようとしており、日米両国で富裕層への攻撃が強まっていることが浮き彫りになった。ただ、この30%と45%の差は、まだまだアメリカが平等より自由を重視することを微妙に表しているようだ。(織)

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